歌うように晴れたら 第7話
作者:ススキドミノ


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登場人物
深谷康生(ふかやこうせい):男子高校生。3組。男子バスケットボール部。
村澤灯里(むらさわあかり):女子高校生。3組。クラス委員。
石野文香(いしのふみか):女性教師。看護教諭。
深川敦也(ふかがわあつや):男性教師。音楽教師。




※2019年1月18日 台本使用規約改定(必読)




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 <五組教室>

亮:最終学年だな。

瞳:そうね。

亮:結局、この席に座ることになったな。

瞳:ええ。三年間一緒だった。

奏海:よう! 窓際組!

亮:飯塚も同じクラスか。

奏海:うん! 本当良かったよー!

瞳:なんか、あんまり変わらなくてびっくりしちゃった。

亮:まあ、悪くないだろ。

奏海:まあねー!

謙一郎:飯塚。席、変わってくれ。

奏海:うげ……! だからやだって言ったじゃん……!

謙一郎:俺、眼悪いんだ。

奏海:眼鏡は……!?

謙一郎:部活で壊した。

奏海:直しに行こうよ! 付き合うから!

謙一郎:それは嬉しいけど、金が無い。

奏海:うううう! じゃあバイトしよう!

謙一郎:部活が――

奏海:私以外の人にしてよ!

謙一郎:どうせなら、飯塚の机が良いなって――

奏海:普通にキモいって!

亮:山口って……意外に押しが強いんだよな。

瞳:そうだね。ちょっと奏海が羨ましいかも。

亮:和久井……それ、結構刺さる。

瞳:渡会君が悪いんじゃない?

亮:……話変えたいだけど。

瞳:本当、押し弱い。

奏海:そういえばさ! 先輩達の卒業式……泣いた?

瞳:私は泣いてない。

亮:俺も。

奏海:嘘ッ! 泣くでしょ! 桜が枯れるかのように!

瞳:奏海、泣きすぎ。

亮:山口は?

謙一郎:俺は……去年の大会で負けた後、先輩のスピーチで泣いた。

亮:ああー……それ、俺も。

謙一郎:部長を引き継いたから、余計に。

亮:嘘、山口部長? すごいな。

謙一郎:まあ、夏まで全力でやるよ。

瞳:あ。今の会話で、ようやく最終学年だって気がした。

奏海:瞳も、うるっとこない? 最終学年だよ?

瞳:いや、来ない。

奏海:瞳の冷血人間。

亮:部活が終わったら、次は?

奏海:受験?

瞳:私はそうね。

謙一郎:俺も。

亮:だよなぁ。受けるとことか決めてんの?

瞳:私は、何となく。

奏海:私はまだ。

謙一郎:俺は……飯塚と同じところ行きたい。

奏海:……え。

謙一郎:嫌だったら、やめるけど。

奏海:あ、いや! うん……。じゃあ、受けるとこ決まったら、教える。

謙一郎:ああ。頼む。

瞳:……わたらいく――

亮:みなまで言うな。言いたいことはわかる。

瞳:私から教えれば良い?

亮:……お願いします。

瞳:……色々なイベントがあるって考えたら、あっという間かもね。

奏海:修学旅行、北海道と沖縄どっちがいい?

瞳:北海道。

亮:沖縄。

謙一郎:沖縄かな。

奏海:各人、理由を述べよ!

瞳:ご飯が美味しいって聞くし……暑いの苦手だから。

亮:泳ぎたいから。

謙一郎:飯塚の水着が見たい。

奏海:……うん。山口君、それはやめてほしいかも。

瞳:どっち行くかって選べるんだっけ?

亮:いや、どっち行くかは先生が決めるんだったと思う。

奏海:うわー……こんな所でもガチャを引く運命なのか……!

瞳:課金、控えな。

亮:なんやかんやが終わったら、もう卒業か。

奏海:流石にはしょりすぎだよ、それ。

謙一郎:和久井も流石に自分の卒業式は泣くんじゃないか?

奏海:あ! それは絶対そう!

瞳:だから……私別に、泣く時は泣くってば。

亮:俺は絶対泣く。

奏海:卒業式ってさぁ……泣くポイント多すぎるよ……!

謙一郎:飯塚は枯れるほど泣くと思う。

瞳:絶対、体育館で散る。

亮:水分不足で倒れるんじゃね。

奏海:私をなんだと思ってんの!

亮:泣くポイントって言えばさ――先輩の合唱、良かったよな。

瞳:え?

謙一郎:ああ……良かった。

奏海:うん。合唱ってさ、恥ずかしいって思ってたこともあったけど、大切だよね。

亮:全員揃って歌うことは、もうないんだーっていうかさ。
  そういうの、先輩達の歌から、すげえ感じた。

謙一郎:来年は、俺達が歌うことになるのか。

亮:流石に今は想像できないけどな。

奏海:……あれ? 瞳? 窓の外見てどうしたの?

 間

奏海:はっ! もしかして、泣いてる!?

瞳:……は? なんで?

奏海:乾いてたー!

亮:窓の外、見飽きたかと思ってたけど。

瞳:うん。見飽きたと思ってた。

亮:何か見つけたのか?

瞳:……ううん。何となく――

 <瞳は外を観ながら微笑む>

瞳:私達が卒業式で歌う時は、今日みたいに晴れてたらいいなって、思った。





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