オーパンツミー!
作者:たかはら たいし


ファゲ星人:♂or♀
凶悪怪獣デスギルガン:♂
遣唐使 光太郎(けんとうしこうたろう):♂
槇村(まきむら)/ナレーション:♀
金山店長(かねやまてんちょう):♂





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ナレ「東京23区外。とある裏山に1機のUFOが突如、着陸した」

UFOから降り立つ1つの影。

ファゲ星人「ここが、地球・・・。思ったより大気汚染が進んでいる、
地球は水の蒼き惑星という噂を耳にしていたが、噂は所詮、噂に過ぎんという事か」

遠くの景色を見渡すファゲ星人。

ファゲ星人「遠くに見える建造物を見る限り、
文化レベルは我々の母星より格段に低いようだな。
これならば“目当ての物”を手に入れる事は容易そうだ。
だがしかし、念には念をだ。出でよ、凶悪怪獣デスギルガン」

UFOのハッチに移る禍々しい影。

ナレ「凶悪怪獣デスギルガン。ファゲ星に生息する獰猛な凶悪怪獣。
頭から生えた一本の角と、凄まじい怪力であらゆるものを破壊してしまう」

ハッチから凶悪怪獣デスギルガンが姿を現す。等身大の。

デスギルガン「ワーオ!」

ファゲ星人「さぁ行くぞデスギルガン。ファゲ星を守る為、どんな手段を用いてでも、
我々のお目当ての物を手に入れるのだ。ワーッハッハッハッハ!!」

デスギルガン「ワーオ!」

ナレ「東京23区外の片隅で、ファゲ星人の邪悪な高笑い。
そして凶悪怪獣デスギルガンの獰猛な鳴き声が響き渡ったのであった」

■東京23区外のとある商店街

ファゲ星人「どうやら、ここのようだな・・・」

ナレ「ここは東京23区外にある、くろたいよう商店街。
凶悪怪獣デスギルガンを引き連れたファゲ星人は、
くろたいよう商店街に建つ、ファッションセンターやまむらの前に現れた」

ファゲ星人「ここに我々のお目当ての物がある・・・」

デスギルガン「ワーオ!」

ファゲ星人「デスギルガン、我々の邪魔をする者はオマエの一本角と怪力で、全て捻じ伏せてしまえ!!」

デスギルガン「ワーオ!」

ファゲ星人「行くぞ、デスギルガン!!」

ファゲ星人とデスギルガンが勢い良くファッションセンターやまむらへと突入する。

ファゲ星人「地球人たちよ!!我々に、パンツをよこせ!!」



デスギルガン「ワーオ!」

ファゲ星人「パンツをよこせ!!」

金山「いらっしゃいませぇぇぇ、お客様!!」

ファゲ星人「おい貴様!!我々はパンツをいただきに来た!!
さぁ、酷い目に遭いたくなければ大人しくパンツの在処を白状するのだな!!」

金山「かしこまりましたお客様。パンツをお求めでございますね?」

ファゲ星人「ああそうだ!!」

金山「こちらでございます!!」

金山に着いていくファゲ星人とデスギルガン。

金山「お客様、パンツはこちらでございます!!」

金山が差し出した手の先には、大量のパンツの山、山、山。

デスギルガン「ワーオ!」

ファゲ星人「・・・こ、こんなにあるのか」

金山「いやぁ、お客様。丁度よかったですね。
今日はファッションセンターやまむら、4か月に1度のパンツつかみ取りデーでございます。
なんと・・・、な、な、なんと、こちらのパンツ、全品無料となっております!!」

ファゲ星人「・・・え、じゃあ、あれか、これ全部もらっていってもいいのか?」

金山「さようでございますともお客様!!何故ならば本日は、
ファッションセンターやまむら、4か月に1度のパンツつかみ取りデーでございます。
さぁさぁ、お客様。こちらのビニール袋をお使いくださいませ!!
なにせ本日は4か月に1度のパンツつかみ取りデー、こちらのパンツ、全て無料でございますので!!」

ファゲ星人「そ、そうか・・・。おい、デスギルガン。オマエも手伝え」

デスギルガン「ワーオ!」

金山から渡されたビニール袋に、手分けしてパンツを詰めていく二体。

ファゲ星人「おい、デスギルガン。4つに折ればもっと沢山入るだろう。ちゃんと折り畳め」

デスギルガン「ワーオ!」

金山「ビニール袋が足りなければお申し付け下さい。直ぐに追加のビニール袋をプレゼント致します!!」

ファゲ星人「お、おお・・・、そうか・・・」

遣唐使「たのもう!!」

入口に純金製のスーツを着た男とメイド服姿の女性が立っている。

金山「これはこれは・・・、遣唐使さま!!おひさしゅうございます」

遣唐使「はっはっは、4か月ぶりか?金山」

金山「ええ、さようでございます。槇村様もお元気そうで」

ため息を吐く槇村。

遣唐使「それがな、金山。槇村は今、傷心中なのだ」

金山「はぁ・・・、槇村様、どうなされました?」

槇村「2日目なんですよ」

金山「え?」

槇村「生理2日目なんですよ」

金山「・・・あ、ああ!ああ!はい!それはもう、お気の毒でございます!」

槇村「すごく気持ち悪いんですよ」

金山「ああ!ね、そうですよね!辛いってねぇ!女の方はよく言いますもんね!」

槇村「口からありとあらゆる臓物を吐き出しそうですね」

遣唐使「源五郎伯父さんがよく言っていた。女の子はルナルナをインストールしといた方がいいと」

槇村「してますよ」

遣唐使「おお、そうか!!流石は源五郎伯父さん。東日本の憎い男界の頂点に君臨するお人よ・・・」

槇村「ルナルナをインストールすれば解決する問題じゃないですけどね」

遣唐使「え?そうなの?」

金山「(遮って)あの、遣唐使さま。今日はどういったご用件で?」

遣唐使「おお、すまない。今日は、この店のパンツを全て買占めに浦和より馳せ参じた!!」

金山「あ、買い占めにいらしたんですね・・・」

遣唐使「ああ。金なら腐る程ある。槇村、アタッシュケースを」

槇村「はい」

遣唐使「この中に6兆円入っている。この金でこの店のパンツを全て買おう」

金山「え?本当に?」

遣唐使「勿論だ!!」

金山「6兆円で?」

遣唐使「ああ!!」

体で4か月に1度のパンツつかみ取りデーの広告を隠す金山。

金山「あ、ああ、さようでございましたかー!ありがとうございますぅ、遣唐使様ぁ!!」

槇村「なんか今隠しませんでした?」

金山「いえいえいえいえいえ、そのような事はございません!!」

遣唐使「既に輸送用の大型トラック5台をチャーターしている。
さぁ、店内のありとあらゆるパンツを今すぐに持って来るがいい」

金山「かしこまりました!!」

パンツの山を乗せたワゴンの前に走ってくる金山。

金山「おい、貸せ!!」

ファゲ星人とデスギルガンのビニール袋を奪い取る金山。

ファゲ星人「おい、なにをする!?」

金山がそそくさと、パンツが山盛りに詰まったビニール袋2つと
パンツが山のように積まれたワゴンを遣唐使の前に運んでいく。

金山「遣唐使さま、こちらでございます!!」

遣唐使「The yamamura has a rich selection of goods. (訳:やまむらは品揃えいいね)」

ファゲ星人「おい、ちょっと待て!!」

金山「なにか?」

ファゲ星人「そのビニール袋に入ったパンツは我々のものだ!!」

デスギルガン「ワーオ!」

床に唾を吐き捨てる金山。

金山「バカ野郎この野郎。見るからに金を持ってなさそうな奴らにくれてやるパンツはウチの店にはねェんだよ」

ファゲ星人「なんだとー!!」

金山「悔しかったら今すぐに札束を用意しろ。まぁ、おたく等、見るからに貧乏人って佇まいしてやがるなあ、んん?」

デスギルガン「ワーオ!」

金山「うるせーななんだバカ野郎!!オマエさっきからワーオ、ワーオって俺らと劇する気あんのかこの野郎!!」

遣唐使「まぁまぁ待て待て、金山」

金山「けどよぉ!!お坊ちゃんよぉ!!あっしはこんな貧乏人どもにパンツ1枚たりともくれてやるのは御免ですぜぇ!?」

遣唐使「わかっているさ、金山。そちらの庶民達よ、おまえ達もパンツが欲しいと申すか」

ファゲ星人「ああ!!我らの目的はパンツだ!!」

デスギルガン「ワーオ!」

遣唐使「そうか・・・、だがしかし、残念ながらこの店のパンツは1枚たりともくれてやるわけにはいかん」

槇村「隣駅にユニクロありますよ」

ファゲ星人「それはダメだ!!ここまで来た以上、我々はこの店のパンツを必ず手に入れるぞ!!」

遣唐使「この店のパンツは1枚たりともくれてやる事は出来ないが・・・、ふぅ、仕方がない。特別だぞ?」

ファゲ星人「ちょっと、待てオマエ。なにをしているんだ。なにをおもむろに脱ぎ始めているんだ、おい」

槇村「あ、意外とちっちゃい」

下半身すっぽんぽんになった遣唐使が、脱ぎたてほやほやの純金製パンツをファゲ星人へと差し出す。

遣唐使「ほら、パンツだ。もらって行くがよい」

遣唐使のパンツを掴み差し出した手を、思い切り振り払うファゲ星人

ファゲ星人「ふざけんなバカヤロー!!」

遣唐使「む、貴様、一体なにをする?」

金山「おおおおい!!このクソ貧乏人!!遣唐使さまになんたる無礼を!!」

ファゲ星人「なんたる無礼はこっちの台詞だバカヤロー!!オマエ一体なにやってんだ!!バカの星の子か!!」

遣唐使「むぅ・・・、怒られてしまった。全くわけがわからないぞ、一体どうしたものか・・・」

ファゲ星人「いいから黙って、あの金ピカパンツ以外の、全てのパンツを我々によこすのだ!!」

遣唐使「それは出来ん!!この店のパンツは全て我の物となる」

金山「諦めの悪い貧乏人だなチキショーコノヤロー!!」

遣唐使「我の脱ぎ捨てたパンツでは納得がいかぬと申すか」

ファゲ星人「いくわけがないだろう!!」

遣唐使「むぅ・・・、これは困った。我のパンツがダメならば、金山」

金山「はい!!」

遣唐使「脱げ」

金山「え?」

遣唐使「脱げって」

金山「はい?」

遣唐使「脱げと言っているんだ」

金山「いや・・・、あの・・・」

遣唐使「さぁ、脱げ」

金山「いや・・・、あの・・・、それは・・・・、遣唐使さま、流石に、ちょっと・・・・」

遣唐使「なに?ダメと申すか・・・」

金山「はい・・・、世間体的に・・・、お役に立てず申し訳ございません・・・」

遣唐使「そうか・・・、まぁ、遣唐使家の者ではないオマエに無理強いさせるわけにはいかぬ」

金山「よかった(小声で)」

遣唐使「金山がダメとなると・・・、ならば、残るは・・・・」

金山「・・・」

デスギルガン「・・・」

2人と1体の視線が槇村に集中する。

槇村「なんですか?」

遣唐使「浦和こども大帝国第三皇子、遣唐使 光太郎が命ずる。槇村、パンツを脱」

槇村「(遮って)バカじゃないの」

遣唐使「え?」

槇村「いや、仕え始めてつねづね思ってたけど、オマエんとこの家族はオマエをはじめバカばかりか」

遣唐使「私は、割とあれだぞ。漢字とか読めるし、さんすうとか結構出来る方だよ、うん」

槇村「今そういう事言ってんじゃねーだろ。ちょっと一回、キャメラ止めてくれる?」

現場に奔る重苦しい空気。

遣唐使「え、あ、はい、すみません・・・」

槇村「おいオマエら。そこの人間のクズと、しょぼいご当地キャラみたいな、オマエらだよ、オマエら」

金山「はい・・・」

デスギルガン「ワーオ!」

槇村「オマエらも何見てんだよ」

金山「はい・・・」

デスギルガン「ワーオ!」

槇村「いや、いいよ。脱ぐんなら脱ぐけど。血出るよ、ねぇ。それでいいならいいけど。
誰か責任取ってくれんの?ねぇ、どうすんの?ねぇ。・・・・・・ねぇ今、私質問してるんだけどさぁ!!」

机を叩く槇村。

遣唐使「いや・・・、それは、あの、脱がなくて大丈夫です・・・」

金山「すみませんでした・・・」

デスギルガン「ワーオ!」

遣唐使「あの、ちょっと・・・僕らも、軽率過ぎました・・・」

金山「もう、今後はしませんので・・・、本当にすみませんでした・・・」

槇村「うん。ああ、そう。まぁ、それならいいけど。次同じ事したら、わかってるよね」

遣唐使「はい・・・」

金山「わかってます・・・」

槇村「・・・まぁ、それならいいよ。うん、じゃあ再開しようか」

遣唐使「あの、槇村さん、自分ほんと、あの・・・、情けないです・・・、本当にごめんなさい・・・・」

金山「いや、遣唐使くんだけの責任じゃないです。僕も加担してしまって、本当にすみませんでした」

デスギルガン「ワーオ!」

槇村「いやいい、もういいから。うん、ね。誰でもミスはあるから、再開しよ?」

遣唐使「ありがとうございます・・・・・」

金山「ありがとうございます・・・・・・・」

槇村「いいって、もういいから。ほら、時間推してるしさ、早く再開しようよ」

遣唐使「ありがとうございます。自分、頑張りますから・・・」

金山「なぁ、遣唐使な。お互い頑張ろうよ。な。」

遣唐使「うん、がんばる・・・」

ファゲ星人「おい、ちょっと待て。なんだこれは」

槇村「あ、お待たせしてすみませんでした。さっきのシーンの、
いいから黙って、って台詞からよろしくお願いします」

ファゲ星人「・・・」

何事もなかったかのように先ほどの立ち位置へ戻っていくファゲ星人以外のキャラクター達。



ファゲ星人「いいから黙って、あの金ピカパンツ以外の、全てのパンツを我々によこすのだ!!」

遣唐使「先ほども言ったがそれは出来ん!!」

ファゲ星人「そうか、ならば仕方が無い・・・貴様ら地球人に、我々の恐ろしさを見せつけるしかないな・・・」

デスギルガン「ワーオ!」

ファゲ星人「先ず手始めに、この店の中にいる人間全てを、圧倒的な力で支配してやるぞ!!」

槇村「あの、すみません」

ファゲ星人「なんだ!!」

槇村「今、この店にいるの。私たちだけですけど」

ファゲ星人「・・・」

デスギルガン「ワーオ!」

ファゲ星人「まぁ、うん。そうか、地球人よ・・・」

遣唐使「なんだ、まるで宇宙人のような物言いだな」

ファゲ星人「ふっふっふ、その通りだ・・・」

遣唐使「なんだと・・・?」

金山「まさか・・・、ひいっ・・・・」

ファゲ星人「特別に教えてやろう!!私は外宇宙第63番星雲からやって来たファゲ」

デスギルガン「(遮って)ワーオ!」

遣唐使「え・・・?なんだって?」

槇村「私は外宇宙第63番星雲からやって来たハゲ、って聞こえましたが」

ファゲ星人「違う!!ハゲではない!!私の名前はファゲ」

金山「(遮って)あははははっはァ!!!!!!ハゲが外宇宙からわざわざご苦労なこっちゃ!!!!!!!」

遣唐使「ぷっ・・・、た、大変だな、外宇宙のハゲよ・・・・ぷっ、ふふふ・・・・」

ファゲ星人「違うんだ!!ちょっと待て!!一回でいいからちゃんと名乗らせてくれ!!後生だから!!」

金山「お客様ァ・・・、ぷぷっ、外宇宙から来たハゲのお客様ァ・・・、かつらコーナーはあちらでございますぅー」

遣唐使「はっはっはっは!これは愉快愉快!はっはっは、あー、金山よ、あまり笑わせるでないわ!!」

金山「これは失礼を働きました遣唐使さまァ・・・あーっひゃっひゃっひゃひゃ!!」

ファゲ星人「貴様らァー!!許さん・・・、ぜったいに許さんぞ、虫けらども!!!!!じわじわとなぶり殺しに」

槇村「(遮って)舞踏天翔脚(ぶとうてんしょうきゃく)!!」

ファゲ星人「ごッッ!!」

槇村の放った舞踏天翔脚が首にクリーンヒットし、4,5m吹っ飛ぶファゲ星人。

槇村「大丈夫ですか、お坊ちゃま」

遣唐使「でかした、槇村よ」

ファゲ星人「げっ、げっほ・・・ごほ・・・・、ちょっと、待って・・・くれ・・・、
まだ、何もしてない・・・あと、やっぱ・・・、よくない・・・・、暴力はよくないぞぉ・・・」

遣唐使「オマエが物騒な事を言い出したせいだろう」

槇村「それに、すごい隙だらけだったので」

金山「やっぱ最終的には、暴力、金、セックスだよなァ!うへへぇ!」

ファゲ星人「くっそぉ・・・、かくなる上は・・・・、デスギルガン!!」

デスギルガン「ワーオ!」

ファゲ星人「よく聞け・・・、愚かな地球人どもよ・・・、
このデスギルガンは、我が惑星に生息する凶悪怪獣だ」

遣唐使「凶悪怪獣の割には、その、サイズ的に大丈夫なのか・・・?」

槇村「鳴き声も迫力に欠けますし・・・」

デスギルガン「ワーオ!」

ファゲ星人「今は惑星移動のため、デスギルガンを全長162cmのサイズに縮小しているが・・・、
私の命令一つで全長20メートルへと巨大化する事が出来るのだァ・・・」

デスギルガン「ワーオ!」

遣唐使「なんだって・・・!?」

槇村「坊ちゃま、下がって下さい!!」

金山「ひっ、ひっいいいいぃぃぃ!!」

ファゲ星人「どうだ、恐怖したか地球人たちよ!!」

デスギルガン「ワーオ!」

ファゲ星人「今、デスギルガンに命令して、この辺一帯を血の海と化してくれる!!」

デスギルガン「ワーオ・・・」

ファゲ星人「さぁ!!デスギルガンよ!!巨大化し、この地球人もろとも街を焼き払ってしまえ!!」

デスギルガン「・・・」

ファゲ星人「ん?どうした?巨大化するのだデスギルガンよ・・・!!」

デスギルガン「・・・ソレは、チョットできない」

遣唐使「おお、やっと言葉を喋ったぞ・・・」

槇村「超カタコトですけど」

ファゲ星人「何故だ、何故わたしの言う事を利けんのだ、デスギルガン」

デスギルガン「地球、ジャパン、んー、あー、
とてもイイトコロ、すき焼き、ドミノピザ、テンプーラ、ピザーラ、お花見。
あと、んー、あー、オーゥ、ピザハット。とてもとてもオイシイ」

ファゲ星人「貴様ァ、そんな理由で!!」

デスギルガン「んー、あとマエから言おうとしてマシタ。
んー、あー、あまり、ソコまでモノ壊すの好きではないデス。
オー、んー、あー、あと、ピザハット」

ファゲ星人「ピザはもういい!!ていうか、オマエなんでついてきたんだよ!!」

デスギルガン「ピザハット、食べたい」

遣唐使「まぁまぁ、一般庶民達よ、争いはよさないか」

ファゲ星人「オマエのせいだろ!!」

金山「いい加減諦めてお引き取り下さい、お客様」

ファゲ星人「ふざけるな!!私は絶対に諦めんぞ!!」

槇村「・・・だそうですよ」

遣唐使「ふぅ、仕方が無い。一般庶民よ。
この遣唐使 光太郎が大量のパンツを欲するのには理由がある・・・」

ファゲ星人「なんだ、言ってみろ」

遣唐使「来月さいたま新都心で行われる第91回パンツボート選手権に出場するためだ」

槇村「パンツのみで作ったボートで小汚い川を横断する大会です」

ファゲ星人「オマエら地球人は何考えてんだ!!」

遣唐使「はっはっは。まぁ、パンツボート選手権は暇を持て余した貴族たちの遊びだからな。
一般庶民には理解の出来ん世界であろう。はっはっは」

槇村「ところでそこのクソ貴族。いい加減、パンツ履いたらどうですか」

デスギルガン「オー、アルトバイエルン、アルトバイエルン」

金山「おおー、いやはやいやはや。これは素晴らしいものをお持ちで」

遣唐使「むっ、やめろ金山、俺のブツに触るんじゃない。ちょっとやめろ。今パンツを履くからな、しばし待つがよい」

遣唐使が純金製のパンツを履き始める。

ファゲ星人「・・・そんな事のために」

遣唐使「ん?」

ファゲ星人「そんな事のために大量のパンツが必要だというのか!?」

遣唐使「その通りだが・・・、何か?」

ファゲ星人「ふざけるな!!こっちは星一つの存亡がかかっているんだ!!
オマエ達に教えてやる。私の生まれ育ったファゲ星は今、深刻なパンツ不足に悩まされている。
ファゲ星に住まう住民の数はおよそ6億。それに対してファゲ星にあるパンツの数は2万8千・・・
圧倒的に・・・圧倒的にパンツの量が足りていないのだ!!パンツを履けない者は己の部屋から出る事さえままならん。
本来パンツが包み覆い隠しているモノを、手で隠しながら生活するには限度がある。
オマエらはモノを手で隠しながら野球が出来るか!?オマエらはモノを手で隠しながら料理が作れるか!?
オマエらはモノを手で隠しながら愛する者と共に手を繋ぎデートが出来るのか!?
住民の中にはパンツなしの生活に耐え切れず発狂し、精神が崩壊し廃人同然と化した者もいる。
私はパンツなしの生活を、ファゲ星の現状を憂う毎日を送っていた。
そんな中、ファゲ星の最長老様が私を呼び出し、そして我が惑星に伝わる古い伝承を語り始めた。
“太陽と月と共に歩みし青き星に、モノを覆い隠す慈悲の衣(ころも)眠る”と。
伝承を聞かされた私は次に超最長老様の呼び出しを受けて青き星、地球へ向かうようにと仰せ使った。
そして、ゴッドオブ最長老様が履いていた由緒あるパンツを譲り受けて地球へと降り立った。
私には退けぬ理由がある。私はファゲ星に住まう全住民の期待を背負っているのだ。
だからこそ、貴様のようなふざけた輩にパンツを譲るわけにはいかんのだ!!・・・って、オマエら人の話を聞いてるのか!?」

※ファゲ星人の上記長台詞中、他登場人物4名は適当に雑談をお楽しみ下さい

遣唐使「あ、終わった?」

ファゲ星人「オマエら!!今、物語の確信に触れる大事なことを言ってたのに!!なんで聞いてないんだ!!」

金山「いやぁ、なんで聞いてないって・・・」

遣唐使「そもそも教えてくれと頼んだ覚えもないしな」

槇村「ていうか、そもそもそういう重い話じゃないですから、この台本」

沈黙

デスギルガン「ワーオ!」

遣唐使「うん。なんだか小腹がすいてきたな。そろそろ帰っていいか?」

ファゲ星人「きーさーまーらぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

ファゲ星人がどこぞから小さなスイッチのようなものを取り出す。

槇村「なんですか、そのファミレスで売ってそうなしょぼい玩具みたいなやつは」

ファゲ星人「驚くなよ、地球人たち・・・。
このスイッチを押した5分後、私が乗ってきたUFOに搭載された超大型爆弾が作動する。
その破壊力は、この地球が粉々に吹き飛ぶ程の破壊力だ」

金山「ななななななんですってえええええ!!!!!!」

ファゲ星人「スイッチオン!!」

ファゲ星人が超大型爆弾のスイッチを力強く押すと共に地面が徐々に揺れ始める。

ファゲ星人「さぁ、地球人たちよ。死にたくなければパンツを渡すのだ」

遣唐使「フン・・・。そのような武力に屈してたまるか。我ら地球の民の誇りを甘く見ては困る」

金山「遣唐使さま・・・」

槇村「お坊ちゃま・・・」

遣唐使「ふっふっふ。槇村、金山、安心するがいい。我は決して屈さない。全人類を代表し、我は戦うぞ」

金山「いや、あの・・・、あちらの方に、とっととパンツを譲っていただけませんでしょうか」

槇村「こんな理由で地球が滅んだら文字通り洒落になりませんので」

遣唐使「貴様ら、もしかして、もしかしなくても余に刃向かうというのか!?」

金山「申し訳ございません遣唐使さま!!私はまだ死にたくありませええええん!!」

槇村「とっととそのタダ同然の超安物パンツを譲って下さい大馬鹿野郎」

遣唐使「ぐ・・・ぬ・・・・」

ファゲ星人「はっはっは、形勢逆転だな地球人よ。おとなしくパンツを渡せば爆弾を止めてやろう」

遣唐使「う・・・うぬぬぬ・・・・」

ファゲ星人「さぁ、この星が爆発するまで時間が無いぞ。さっさとパンツをよこすのだ」

遣唐使「やだ!!」

金山「ええええ!!何故ですか!!」

遣唐使「やだやだやだやだぁ!!このパンツは全部ボクのなんだもん!!絶対に1枚もあげてやらないんだからなぁ!!」

金山「遣唐使さまぁ!!そんな事言わずにパンツを譲って下さい!!このままだと地球が粉みじんにいいいい!!」

遣唐使「いいもん別に!!地球が滅んだって別にボクいいもん!!」

槇村が遣唐使の胸倉を掴む。

槇村「おい、クソバカ。よく聞け。手刀でオマエの頸動脈を切り裂きますよ」

遣唐使「いいよ!!別にいいよ!!やりたきゃそうしなよ!!でもボクは力には決して屈さないからなぁ!!」

槇村「わかりました」

手刀を構えた槇村を金山が取り押さえる。

金山「ちょっ!!ちょっちょちょちょちょ待って下さい槇村様!!頸動脈は流石に不味いですよ!!」

槇村「止めないでください!!私の手首の疼きを止めるには!!もうそれしかないんです!!」

金山「痛い痛い痛い痛い!!ねぇ痛いってば!!私のうなじに若干刺さってますって槇村様!!痛い痛い痛い痛い!!」

デスギルガン「あの、チョットすみません・・・」

遣唐使「なんだよ!!ぼくのことはもうほっといてくれよぉ!!」

遣唐使に向かい、土下座をし始めるデスギルガン

ファゲ星人「おい、何をしているんだデスギルガン!!」

遣唐使「か、怪獣が・・・土下座・・・だと?」

デスギルガン「お願いシマスヨ。コノ通りデス」

遣唐使「だ。だがしかし・・・」

デスギルガン「全部じゃなくてもイイデス、1枚、2枚、3枚でもイイからパンツをボクたちに分ケテほしい」

ファゲ星人「デスギルガン・・・」

デスギルガン「ファゲさんホントはとても優しいヒト。
パンツ、星のみんなの為にどうしても、プリーズ。うー、あーパンツ欲しい」

遣唐使「む・・・」

デスギルガン「ボクたちにパンツ、譲ってほしい」

遣唐使「・・・まさか怪獣がこの我に土下座し、頼みを乞うとは・・・、
思ってもみなかった・・・。デスギルガンとやら、頭を上げるがよい」

デスギルガン「んー、ちょっと日本語ワカラナイ・・・」

遣唐使「日本人のわびさびを、よもや怪獣に教わる事になるとは、我もまだまだという事か・・・」

槇村「お坊ちゃま・・・」

遣唐使「いいだろう・・・」

ファゲ星人「オマエ・・・」

デスギルガン「オーゥ、アルトバイエルン、センキューベリマッチ」

遣唐使「礼を言うのはこちらの方だ。我はオマエに、何か、とても大切な物を教わった気がする」

槇村「とても、大切な物、ですか・・・」

金山「遣唐使さま・・・、その、一体・・・大切なものとは・・・?」

遣唐使「ふっ・・・」



遣唐使「ちょっとまだ正直、あの・・・ちゃんとわかってないから、後で考えてから言うね」

金山「ああ・・・やっぱりですか・・・」

槇村「あの、ところで・・・」

遣唐使「(遮って)ファゲ星人とやら!!パンツは我とオマエで半分ずつ分ける事にしよう!!異論は無いか!?」

ファゲ星人「あ、ああ・・・!!」

遣唐使が、ファゲ星人へと、手を差し伸べる。

ファゲ星人「む、なんの真似だ・・・」

遣唐使「これは、地球人がお互いを認め合った時にするしきたりのようなものだ」

ファゲ星人「ふん・・・。握手、だろ・・・?ファゲ星にもある」

遣唐使「そうか。遥か宇宙の彼方でも、握手は共通なのだな・・・」

ファゲ星人「何故、俺に握手を求める・・・?」

遣唐使「宇宙からの住民とパンツを求め争い、最終的にあの怪獣のおかげで、我らはわかりあう事が出来た」

金山「・・・そうでしたっけ?」

槇村「バカがごねてただけじゃないですか」

ファゲ星人「そうか・・・あるのだな」

遣唐使「む?」

ファゲ星人「地球にも、友情というものは・・・」

遣唐使「当たり前だろう」

ファゲ星人「ふっ・・・」

遣唐使「ふふっ・・・」

ファゲ星人と遣唐使が握手しながら、共に微笑みあう。

ファゲ星人「ふっふっふ・・・」

遣唐使「はっはっは・・・」

槇村「あの、ところで・・・」

遣唐使「なんだ、槇村?」

槇村「爆弾」



金山「ああああああああ!!そうだった!!和解したならいいじゃないですか!!さっさと爆弾を止めてくださいよォ!!」

ファゲ星人「ふっ、案ずるな地球人たち。まだ爆発まで30秒程度ある。もう一度このスイッチを押せば・・・あれ?」

遣唐使「どうした?」

ファゲ星人「いや、あの・・・スイッチが戻らない・・・あれ?と、止まんないぞ・・・!!」

ALL「なんだってえええええええええ!?!?!??!?」

ファゲ星人「あ、ヤバイ。あと30秒ぐらいしかない・・・、あれ、スイッチ・・・あれ?」

遣唐使「え、ちょっと、ちょっと我にそのスイッチ貸してよ。・・・あ、これダメだ、スイッチめり込んじゃってるよー」

ファゲ星人「え、マジ?いやー、すごい安物のスイッチ買ったのが失敗だったかなー」

遣唐使「スイッチ押す時に強く押し過ぎたんじゃないの?」

ファゲ星人「そうそうそう!!なんかミシッって音してたからおかしいと思っていたんだけどねー」

遣唐使「ああー、やっぱりー?」

金山「ああー、やっぱりー?じゃねぇよ!!おいそこのバカども!!早くスイッチ止めろよ!!」

遣唐使「これ、なんか、これさ。スイッチのツマミのとこさ、こうガンガンって、地面に叩いてみたら・・・?」

ファゲ星人「え、どうやるのって・・・!!オマエ、なんか首から血がプシャーって出てるぞ!!」

遣唐使「え?マジ!?あ、ほんとだ・・・!!なにこれすごぉい!!首から勢いよくビューって血が出てる!!」

金山「槇村さま!!アンタどさくさに紛れてなにやってんだ!!」

槇村「私の手首の疼きが・・・ようやく収まった・・・」

遣唐使「あー、なんかすごいクラクラしてきた・・・」

ファゲ星人「おいちょっと待て!!死ぬな!!これ!!どこら辺を地面にガンガンってすればいいの?ねぇ、ちょっと聞いてる?ねぇ?」

金山「嫌だあああぁぁぁ!!死にたくねえええぇぇぇ!!」

デスギルガン「ワーオ!」

デスギルガンの鳴き声と共に輝くスイッチ、そして・・・

金山「あ」

槇村「あ」

遣唐使「ほら、ピューって血が、ピューって出てる・・・」

ファゲ「すまぬ・・・、故郷の皆よ・・・」

大爆発を起こし、消滅する地球。

ナレ「XXXX年XX月XX日、この日、地球は消滅した・・・」

END



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