夏木ヒミコと3人の美少年
作者:domino


夏木 ヒミコ:高校2年女子。どこにでもいる普通のツッコミの鬼。
浮遊 ソラ:2年。少し浮いている。美少年。
鏡 コワシ:2年。美しすぎる。美少年。
受山 ソウジ:3年。よく襲われる。美少年。





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 ◆

夏木N:私は夏木ヒミコ。どこにでもいる普通の高校2年生。
    のはずが……ひょんなことから、周囲には学校一の美少年たちが集まってきて!?
    私の学校生活、どうなっちゃうのぉー!?
    ……なーんて。思っていた。
    (間)
    最初は。

浮遊:なあ、ヒミコ。

夏木:……何?

浮遊:ヒミコ、ヒミコ!

夏木:だから、何かな。

浮遊:あのさ、放課後行ってみたいところあるんだ。

夏木:……へえ、どこに。

浮遊:俺、ボウリングにいってみたくてさ。

夏木:……いったらいいんじゃない?

浮遊:ヒミコも一緒に!

夏木:なんで。

浮遊:いや、それは……。

夏木:(ため息)勇気が出ないってんでしょ?

浮遊:わかってるなら言うなよ!

夏木:男子といったらいいじゃん。

浮遊:だから……。

 間

浮遊:(寂しげに笑う)俺、クラスで浮いてるからさ。

 間

夏木:今更でしょうに。


夏木N:浮遊ソラ。
    人懐っこくて、いつも笑顔が絶えないクラスの人気者だ。
    しかし彼には、ある秘密があった。


浮遊:(頭に手を当てて)クソッ……!

夏木:は?

浮遊:コンプレックスなんだよ!

夏木:何がだいってみろ!

浮遊:俺……! 本当は174センチなのにーー

夏木:175センチだと思われてんでしょ!?
   どーでもいいわ! そんなこと!


夏木N:浮遊ソラは産まれつきの特殊体質で、地面から常に、1センチメートル浮いているのだ。


浮遊:そんなことって……!
   見損なったぞヒミコ!

夏木:そりゃあねえ……! 最初聞いた時は同情もしたわよ!
   ああ、なんてかわいそうで、なんて無意味な特殊体質だって、
   頭の中であんたにかける言葉探したわよ……!
   でも! 一年間なんどもなんどもなんどもなんども
   トラウマ告白されても、どうしろっての!?
   っていうか、よく毎回同じトーンで落ち込めるなぁ!

浮遊:見損なったぞヒミコ!

夏木:うるさいわ!

浮遊:ミソコ!

夏木:略すなボケッ!

浮遊:別にいいだろ? ヒミコだって、放課後は暇じゃんか。

夏木:決めつけないでよ。私にだって用事くらいーー

浮遊:なんだよ。言ってみ?

夏木:それは……ほら、バイトとか、してるし。

浮遊:ふぅん……どこで?

夏木:はぁ? 別に言う必要ないでしょ。

浮遊:そのバイトって、浮いてると有利だったりするか?

夏木:浮いてると有利って何?

浮遊:知らねえ。

夏木:知らねえのか。殴るぞ。

浮遊:とにかく、行くってことでいいんだよな?

夏木:どこをどうしたらそうなる!

浮遊:だってさ! 俺の体質知ってるの、お前だけだろ?
   一人じゃその……ボウリングできねえし。

夏木:別に、ボウリングくらい大丈夫でしょ……!

浮遊:踏ん張れねえから……!
   踏ん張れねえから、俺! 持って行かれる!
   ボウリングの球に!

夏木:いちいち倒置法多用してんじゃねえ!

浮遊:倒しちまうだろ……! 俺がーー

夏木:ピンを!! だろ!?
   うるさいなあ!

浮遊:このままだとまた河川敷で一人でーー

夏木:黄昏てればいいでしょ! それもまた青春……悪くないって……!

浮遊:河川敷で、ホバリングすることになるな……。

夏木:ホバリングするんだ。え? 水にも浮くの?

浮遊:なあ……俺は、ホバークラフトなのか?

夏木:知らねえよ。そうなんじゃない?

浮遊:水陸両用の男に、ずいぶんと冷たいんだな……。
   ヒミコはいいよな! 地に足がついてて!
   2つの意味でさぁ!

夏木:だぁーもう! 昼休み終わるわ……。

浮遊:おい! どこいくんだよヒミコ!

夏木:うっさい! ついてくんな!


 ◆


夏木N:私は逃げるように屋上へ向かった、がーー
    
 <屋上にて>

鏡:空は、いいよな……。

夏木N:この学校において、私に安寧の地などありはしなかった。

鏡:やあ……ヒミコ。

夏木:(舌打ち)……鏡くん、いたんだ。

鏡:空は、いいよな……。君も、そう思うだろ?

夏木:うんいいね。それじゃあ私、行くわ。

鏡:(ドアに回り込んで)……空はさ。

夏木:邪魔だ、どけ。

鏡:空には、映らないから……。美しすぎる……僕の顔が。


夏木N:鏡コワシ。
    彼は、恐ろしいほどに顔の造形の整っている。
    まるで彫刻のように整いすぎた容姿に、ついたあだ名が、『ダビデ』
    そして本人は、そんな自分の顔の美しさに悩んでいるという。
    ブン殴りたい男子No1の称号を持ち、付け狙われる日々を送っているが、
    あまりに神々しくて誰も半径1メートル以内に近寄れないという。
    しかしーー


夏木:……それがどうかしたわけ?

鏡:ヒミコは、いいよな……。

 間

夏木:はぁ?

鏡:ヒミコは、僕に、近づけるんだから。


夏木N:私は普通にこいつに近づくことができるため、妙に懐かれてしまっている。
    というかそもそも……神々しくて近づけないというのは、何なのだろうか。


鏡:今日も話せなかったんだ……誰とも。

夏木:へえ……っていうか、あんたら倒置法使わないと会話できないわけうっとおしい。

鏡:あんたら……? 一体誰のこといってるんだ?

夏木:あー、別に……なんでもない。
   っていうか、本当さ……。

鏡:……何?

夏木:こんなところに一人でいるから、友達できないだけでしょ。

鏡:(吹き出す)ふふふ……面白いこというね。

 間

鏡:ねえ、ヒミコ。美しいって、何かな……。

夏木:さあ。私にはよくわかんないけど。

鏡:美しいと書いて……僕と読む。

夏木:マジでぶん殴るぞ。

鏡:ははは、それも悪くないな……。
  でも、気をつけてね……僕は昔一度、殴られたことがあったんだ。

夏木:え? あ……いや、私のは冗談だけど……。

鏡:わかってるさ。
  でも……彼は本気だったんだ。そして、僕を公園で殴りつけた。

夏木:あー……よくいるガキ大将みたいなね。

鏡:彼は、増えたよ……。

 間

夏木:は?

鏡:僕の顔に彼の拳を触れた瞬間、彼の左手が彼自身を殴ったんだ。

夏木:いや……どうして。

鏡:分裂したんだ……彼の中にもう一人の彼が産まれた。

夏木:疑問が尽きないんだけど。

鏡:考えても見てごらんよ。この美しすぎる僕を殴るなんて……普通の精神じゃできっこない。
  彼は限界を超えたストレスを押さえ込んで、無理やり僕を殴ろうとしたんだ。
  そこで彼にもう一つの人格が産まれて、そちらが左手を使って彼を止めようとしたってわけさ。

夏木:当たり前みたいにいうな。
   一つも納得できないっつーんだよ。

鏡:ヒミコ……僕はその時思ったんだ。

夏木:はいはいなんですか?

鏡:美しさとは……呪いだよ。

夏木:(ベンチに座って弁当の包みを広げる)

鏡:ヒミコ……聞いてたかな?

夏木:うわやっば……! 早く食べないと、昼休み終わっちゃうわ。

鏡:ふっ……それもまた……ヒミコがヒミコたるために必要なこと……か。

夏木:いただきまーす。

鏡:ヒミコがヒミコ自身を貫くことで、僕を無視してまでヒミコを保つというならヒミコ、僕はヒミコを認めてーー

夏木:うるせえええええ! 早くどっか行けっての!!!


 ◆


夏木N:教室へ帰る途中。渡り廊下の影で、私は小柄な生徒にタックルされた。
    いや、もうここまで言ったらわかるだろう。こいつもまた、地獄美少年の一角。


受山:ヒ、ヒミコォ……。

夏木 :……どうしたんですか……? 受山先輩。

受山:ぼく……ぼくね? ぼく……。

夏木:あー……もしかしてだけど……また?

受山:うん……また、今度は1年の女子に……急にさらわれてーー


夏木N:受山ソウジ。
    1学年上の3年生で、一応先輩なのだが……
    その体躯はまるで小学生高学年のように小さい。


夏木:それで……どうしたんですか?

受山:そんなの……僕の口からは、言えないよ……。


夏木N:そして、受山先輩は、可憐を極める美少年であった。
    異常なまでの愛らしさと、不自然なほどの色気を漂わすこの先輩は、男性女性問わず狂わせる。
    そして彼は、常に男女両方から狙われ、拉致され、なんやかんやされ、
    衣服を乱れさせ、妙に色っぽい表情を浮かべて私の前に現れるのだった。


受山:でも……ヒミコがどうしてもっていうなら……僕ーー

夏木:いや、いいっす。

受山:(舌打ち)

 間

受山:それより! 今日……一緒に帰ろう?

夏木:は?

受山:だって僕! 一人で帰ったら、絶対、また……。

夏木:いや、普通に嫌ですけど。

受山:あ?

夏木:あ?

受山:いいの!? ヒミコは! 僕がまた灰色の世界に取り残されても!

夏木:はい。私って普通にノーといえる女子高生なんで。
   あと、聞き逃してねえぞ灰色の世界ってなんだよ。


夏木N:そしてこれが一番の特徴だ。
    この受山という先輩は、総受けな上に、腹黒い。


受山:あのさぁ……僕が誘ってんのにどうしてこないわけ?

夏木:いや、普通に無理だっつってんじゃないすか。

受山:ねえ、ショジョってそんな大事?

夏木:ぶっとばすぞチビっ子コラ。

受山:退廃的なら退廃的なほどいいってことを僕は懇切丁寧に君に教えてあげようってのに……。
   いいよぉ……絶望と虚無感から色失った景色は……。

夏木:ああ……灰色の世界の説明どうも。
   っていうか! なんで私につきまとうんですか!?

受山:ん? ……んー、だってほら、そう簡単になびかないから。
   攻略しがいがあるっていうかさ。

夏木:はっきりいったなオイ。思考がゴミ男のそれだよ。

受山:第一! つまんないんだよねぇ!
   だいたいの人間が僕をみるとメロメロキューンってしちゃうしさ。
   ねえ、僕を見る時のみんなの目……あれなに? ミキプルーン?

夏木:知らないし。多分違うし。

受山:ま、いいや。今日もヒミコとも絡めたし。
   ノルマたっせーい。

夏木:ノルマって何ですか……?

受山:1日1ヒミコ。

夏木:マジで迷惑なんでやめてもらっていいですかね。

受山:あ、そーだ。ヒミコさ、ちょっと頼まれて欲しいことがあるんだけど。

夏木:え? 嫌ですけど。

受山:うん。清々しい。でも、いつもの軽口とはちょっと違うんだよね。


夏木N:受山先輩は、なぜか第五ボタンまで開いている胸元から一枚の用紙を取り出した。


受山:ほら、僕ってこの愛らしい容姿を武器に、お飾りの生徒会長やってるじゃん?

夏木:はい、そうでしたね……確か……。

受山:そこで生徒会からの正式な依頼です。

夏木:……えっと……入学案内用の在校生インタビュー作成?

受山:そう! 実はさ……先生に頼まれちゃって。
   ほら僕って、可愛い以外の能力が皆無だし、無理じゃん?

夏木:性格が完全に汚泥(おでい)だな……。
   っていうか、それこそ受山先輩のその……可愛いという能力で、
   誰でもかれでも引っ張ってきて使っちゃえばいいじゃないですか。
   入れ食いでしょう?

受山:んー……そんなことしたら釣れすぎちゃって、釣り堀閉鎖だね。

夏木:乗ってくんじゃねえ。

受山:誰でもいいならそれでもいいんだけど、これって僕の任期でも大仕事になるわけだよ。
   これで新入生がずがーんと増えたら、もともと上がりきってる僕の株が上がりまくちゃって……。
   あー、もう上場しようかなー。

夏木:断言するけど1月で潰れるわ、そんな会社。

受山:そこで、ヒミコの出番。

夏木:……なんで私なんですか。

受山:君、仲良いでしょ? あの二人と。


 ◆


夏木N:つまりはこういうことだ。
    2学年きっての美少年ーー浮遊ソラ、鏡コワシの2名に学校紹介のインタビューを取る。
    まあ確かに、不本意に不本意を重ねて、不本意のミルフィーユを作りたいほどに不本意だが、
    あの2人からインタビューを取るというなら、私が適任であるというのは頷ける。
    (間)
    話は変わるが、私はその日の晩、40度という高熱を出した。
    両親に病院に運ばれ、診断されたところ、極度のストレスによって体調を崩したとのことだった。
    私はその熱の正体を知っていた。これは、面倒臭い熱だ。
    学校に行きたくない。会社に行きたくない。
    そんな思いが擬似的に熱を産みだすのを経験した人は多いだろう。
    その最終系が、この40度の面倒臭い熱だった。
    だが、私の願いもむなしく、一晩の点滴で私はあっという間に快復。
    翌々日には学校にいけることになった。
    人一倍丈夫に産んでくれた両親に、感謝と同時に呪いの言葉を吐いた。

 ◆

  <生徒会室にて>

浮遊:いやぁーでも嬉しかったなぁ。

夏木:……何が?

浮遊:いや、だってヒミコが俺を頼ってくれるなんて、なかなかないだろ?

夏木:まあ……はい。

浮遊:正直、注目されんのはあんまり得意じゃないけど、ヒミコのためなら俺、
   やるからな? なんだって。

 間

浮遊:おーい。ヒミコ。どうした?

夏木:……別に……疲れただけ……。

鏡:おい、浮遊。

浮遊:ん? なんだよ。

鏡:君、馴れ馴れしいぞ。

浮遊:あ?

鏡:偶然、たまたま、神の気まぐれと天使な小生意気で同じクラスになったからといって、
  ヒミコに対して馴れ馴れしいといっている。

夏木:後半、漫画混じってるぞ……。

浮遊:あー、お前もしかして嫉妬してる?
   俺たちがあまりにも楽しい同じクラスライフーーおなクライフを送っているからってさ。

夏木:その略し方やめろ。

鏡:馬鹿馬鹿しい……。この僕が誰に嫉妬するって?
  別におなクライフだけが楽しいわけじゃない。
  それでいうなら、僕は毎日のようにヒミコと昼休みをーーヒミるやすみを過ごしているからね。

夏木:語感悪すぎて酔うからやめて。

浮遊:ヒミるやすみくらいで、おなクライフを超えられると思ってるのかよ!
   こっちは毎授業後にヒミコと休み時間ーーヒミミじかんを過ごしているんだからな!
   うらやましくなんかないね!

夏木:人の名前で遊ぶんじゃねえ。万能じゃねえぞ。

 <受山が入ってくる>

受山:やぁ……おまたせしたね……。

夏木:別に待ってないです……。
   もう……本当疲れた……。(机に突っ伏す)

鏡:会長。遅かったな。

浮遊:会長さん? この人が?

鏡:生徒会長の顔くらい覚えておけ……。

受山:みんな、集まってくれてありがとう。
   えっと……あれ? ヒミコ、どうしたの? 突っ伏してるけど。

鏡:わからん……こんな姿をみたのははじめてだ。
  ……レア物だな……!

浮遊:どうしたー! ヒミコ! 瞑想中か?

鏡:いや……これは、聞いたことがある。
  力場を介して未来を見通す超能力者ーー未来視(クレヤボヤンス)の噂をーー

受山:いやいや、生理じゃない?

夏木:最後のやつだれだ……! 絶対あとで殺す……!
   あーもうダメだ……私寝てるんで、そっちで進めててください……。

 間

受山:(咳払い)……話を進めようか。
   君たちの協力のおかげで、無事にパンフレットは完成したよ。

浮遊:おおーできたのか。

鏡:早いな。

受山:まずは1ページ目から10ページまで、僕たちのグラビアが載ってるよ。

浮遊:夏服と冬服はわかるんだけど……水着とか体操着とか結構大変だったな。

鏡:いろんな部活のユニフォームを着れたのはなかなか楽しかったよ。
  僕は……部活に入ったことがないからね。

夏木:ハァ?

受山:どうした。ヒミコ。

浮遊:具合悪いんじゃねえのかよ。
   休んどいていいぞ!

夏木::(パンフレットを手に取る)見せてみろ!
    ……10ページグラビアって! あんたらはなんだ! 国民的か!? 国民的何かか!?
    どうりで……何千枚もパシャパシャとりやがって! 撮影時間40時間だったもんね!
    なんだ40時間って! 特番かよ! 誰かマラソンでもさしてんのか!

受山:で、次の11ページから20ページまでが僕たちのヒストリーページだね。

浮遊:幼稚園からの写真持ってこいって言われたときは驚いたぜ!
   親がすげえとってるもんだからさ。

鏡:僕の場合は一枚撮るたびにカメラが壊れるからそんなに枚数はなかったけど……。
  どれも美しすぎるな。

夏木:……このヒストリーは、いりますか? ねえ。いります?
   あんたらがこの学校に入るまでの写真いる? 家族のインタビューいる?
   母校の校長のインタビューいる? 何? 特番? ドキュメンタリーとか撮ってるの? 特番なの?

受山:21ページから30ページまでが今回、僕たちについたスポンサーの広告だ。

浮遊:そういえば制服にいろんなロゴついてたな?

鏡:何を今更……君が両手につけてる時計も彼らからの貢物だろうに。

夏木:ただの高校生がスポンサー10社もつけやがって! 特番かっつーんだよ!
   スーツ着た大人が頭下げてるのどれだけ見せる気だ! 恐縮するわ! わしは極道の妻か!

受山:あったあった!

浮遊:お! ここからだな! ヒミコの仕事!

鏡:夏木ヒミコと3人の美少年、ぶち抜きインタビュー……。
  ヒミコの名前はやっぱり見た目が麗しいね。僕の名前の次に。

夏木:(息を吸い込む)

3人:え?

 間

夏木:南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)。

浮遊:ヒ、ヒミコ?

鏡:ど、どうしてヒミコの背後に金色の人が見えるんだ……?

受山:これは……噂には聴いてたけど初めて見るよ。
   ヒミコの、『ツッコミ千手観音』だ……!

受山:みんな! 踏ん張れ!

夏木:……インタビュー行くぞ。
   浮遊から、キャッチコピー。読め。

浮遊:は、はい!
   え、えっと……。
   「浮いてる俺でも、君の隣を歩いてもいいかな」
   普通科2年……浮遊ソラ、インタビュー。

夏木:初手浮いてるアピールだなぁ……。
   悩んでるんじゃねえのか!? 浮いてんのは脳細胞かコラ!
   次! 鏡ィ!

鏡:あ、ああ……。
  「美しいオブザワールド? 世界遺産だって驚かないね」
  普通科2年……鏡コワシ、インタビュー。

夏木:うぜえ! うざすぎる! お前の肋骨引き抜いて楽器作りたいわ!
   次!

受山:えっと……。
   「ごめんなさい……。僕が悪い子です」
   普通科3年……受山ソウジ、インタビュー。

夏木:はい許しません! ぜーったいゆるしませーん! ばーかばーか!
   ……さぁ、読んでいけ! 次、好きな女の子のタイプ!

浮遊:地に足がついている人……。

夏木:ダブルミーニングだなぁ! もう開き直ってるなぁ!
   2度と悩むんじゃねえぞ! 次ィ!

鏡:鏡の国のコワシ。

夏木:シンプルに意味がわからないわ!
   大腸を固結びにしてやろうか! 次ィ!

受山:怖いよう……抱きしめて……?

夏木:その発言が怖いよう……! 鉄の処女(アイアン・メイデン)に抱きしめられて……!?
   次のインタビューーー


 ◆

 ◆

 ◆


浮遊:鏡。

鏡:なんだ……。

浮遊:ヒミコ、体調不良だってさ。なんか50度出たって聞いたよ……俺心配でさ。

鏡:何!? しかたない……僕が、看病しにいくしかーー

浮遊:悪いな。ヒミコの家、一人乗りなんだ。

鏡:どうして貴様が先に上がり込むことになっている……!

浮遊:だって俺は同じクラスだから家の場所知ってるしー。

鏡:ふっ、普通にうらやましい……!

受山:君たちー。

浮遊:あ、会長。

受山:今、ヒミコの家いくのはやめときなー。

鏡:……どうしてだ?

受山:実は僕、看病しようと思って家に寄ったんだよね。今朝。

浮遊:何っ!?

鏡:先を越された!

受山:それで、家が見えてきたんだけど。
   二階のカーテンが開いててさ、ヒミコが見えたわけ。

浮遊:それで! どうだったんだよ!

鏡:病床に伏していたか!?

受山:いや、それがさぁ。僕ら3人の写真にーー

浮遊:俺らの!?

鏡:写真に!?

 間

受山:手裏剣刺してた。

 <空にヒミコの顔が映る>

夏木:わしゃ忍者か!(セルフエコー)











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