日毎に肌を刺す空気の冷たさに
作者:ススキドミノ


ミサキ:女性・十七歳・女子高生
青蜂:男性・推定年齢三十台中盤・職業不明




※2019年1月18日 台本使用規約改定(必読)




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 <12月4日・夕刻・住宅街の中にある小さな公園>
 <ミサキは公園のベンチに座って呟く>

ミサキ:正しいってなんなのかしら。

 間

ミサキ:道理にかなっていることだって、国語のセンセが言ってたの。
    ……じゃあ道理って何って聞いたら、物事の道筋だって。
    思ったんだけど。じゃあそもそも、その道筋自体が間違っていたら?
    間違った道を進んでいても、それって正しいの?

 間

ミサキ:ねえ、どう思う。

 間

ミサキ:ねえ、無視しないでくれるかしら。

 <隣のベンチに座っている青蜂は、ゆっくりとミサキの方に顔を向ける>

青蜂;……は。

 間

青蜂:は。え。……もしかして、俺に言ってる……?

ミサキ:ええ。

青蜂:いや……なんで?

ミサキ:なんでって、なんで?

青蜂:いや……だってここ、公園のベンチよ?

ミサキ:それが?

青蜂:んで俺、隣のベンチに座ってる、見知らぬおっさんよ?

ミサキ:だから、それがなんだっていうの。

青蜂:いやいや……俺みたいな見知らぬおっさんが言うようなことじゃないけど……。
   公園にいる見知らぬおっさんに急に話しかけちゃ駄目でしょ。
   制服姿の見知らぬ女子高生。

ミサキ:(咳払い)……ここに、見知らぬ女子高生がいます。

青蜂:……は?

ミサキ:それも、すごくすごーく暇でーー
    暇を持て余しているが故に、常識やこの世の理に疑念を抱いてしまったりするのです。
    そして彼女の隣には、同じく平日の昼間からぼーっとベンチに座っている、如何にも暇そうな見知らぬおじさんがいました。

 <ミサキは青蜂の顔を横目で見る>

ミサキ:話さないほうが不自然じゃないかしら?

青蜂:わからんわからん。どういう理屈だそりゃ。

ミサキ:そもそも理屈では説明のつかない状況になってしまったのなら、それが常識なんじゃないのってことよ。

青蜂:……あー、駄目みたいだなこれ……。

ミサキ:見知らぬおじさんも心のなかではわかっていたみたいね。

青蜂:それをいうなら、見知らぬおっさんは考えることをやめたってほうが正しい。

ミサキ:あら。考えずに行う行動なんて、それこそ本能というものだと思うけど。
    最初からそれが自然だってことね。

青蜂:(ため息)……で、なんだよ、不自然な女子高生。

ミサキ:ちゃんと聞いてたの? 自然なおじさん。

青蜂:おっさんはおしなべて自然な生き物だっつーの。

ミサキ:だから、正しいとは何かってこと。

青蜂:……いや、俺に言われても。

ミサキ:別に答えを求めてるわけじゃないわ。
    だって、そもそも正しいという言葉自体に、明確な正しさがないんだもの。

青蜂:考えすぎなんだよ、屁理屈女子高生。

 <青蜂は缶コーヒーを飲む>

青蜂:『答えを求めてない』、なんてのがそもそも正しくない。

ミサキ:どういうこと?

青蜂:そもそも、言葉ってもんが何なのかって話だ。
   ……例えば、あー……なんだ。今どきの高校生とかだとあれだろ。
   『好き』とか、言うだろ。普通に。

ミサキ:何に対して?

青蜂:別になんだっていいよ。あの店のパフェが好きーとか、あのアイドル好きーとか。

ミサキ:女子高生に限らず、誰だって言うと思うけど。

青峰:だからーなんだ。例えば、女友達に『あーもう! あんたのこと好き好きー♪』とか言ってーー

ミサキ:……。

青蜂:引くんじゃねえよ……! 失礼女子高生……!

ミサキ:……それで?

青蜂:ったく……! 女友達に好きって言ったとする……。
   じゃあ、そいつが放課後、校舎裏だったとして……同級生の男に『好き』って言うとしたら、どうだ?

ミサキ:……意味が違うってこと?

青蜂:言葉の意味自体は変わってないさ。相手に対して好意を伝えてることには変わりない。
   だが、言葉ってのは、そいつがどんな人間で、どんな状況で、どんな声色だとかーー
   とにかく、そういう様々な要因で言葉は『意図』を持つ。

ミサキ:意図……。

青蜂:ああ。言葉の意味が変わったように感じるのは、そこに意図が発生するからだ。
   俺からしたら『答え求めてない』ってことは、自分の中でその言葉を投げ捨てちまってるように見える。
   どういう意味で言っていることにしろ、それだって俺が感じた意図ってやつだよ。

ミサキ:……あなたの感じた意図は『正しい』のかしら。

青蜂:少なくとも、俺にとっては正しい。それが、一つの答えってやつだな。

 間

ミサキ:……そう。そうね……。

青蜂:……って……なんか偉そうに語っちまったけど……。
   いや、まあ……見知らぬおっさんに話しかけると、こういう説教臭い面倒なことを聞かされたりするんだ。
   犬にでも噛まれたと思って――

ミサキ:いいえ。

 <ミサキは少し考え込んで、顔を上げる>

ミサキ:……じゃあ私は、センセが言う『正しい』という言葉の意図が……受け入れられなかったのね。

青蜂:いや、まあ……別に根拠のある話じゃないぜ?

ミサキ:ううん……確かにそう。
    『答えを求めてない』だなんて嘘だったのよ。
    私は――私の中に最初から答えがあるからこそ、疑念を抱いていた。

 <ミサキは笑みを浮かべて青蜂の顔を見つめる>

ミサキ:見知らぬおじさん。ありがとう。
    私の中に答えをくれて。

 <青蜂は恥ずかしげに頬を掻いた>

青蜂:少しでもお役に立てたなら良かったけどな……。

ミサキ:ううん。役に立つどころか、余計にわからなくなったわ。

青蜂:……は?

ミサキ:人からすると、すごく無駄な時間だったかもしれない。

青蜂:(ため息)おいおい……。

ミサキ:でも、私にとっては違う。
    わかってるの。答えのない議題についてばかり考えているのは、自分の現実から目を背けてるだけなんじゃないかって。
    でも……そんな私の現実逃避に、真剣に付き合ってくれたのは、あなたが初めてだから。

 <ミサキは立ち上がって制服のスカートを治す>

ミサキ:……私、帰るわ。

青蜂:……そうか。

ミサキ:ありがとうね。見知らぬおじさん。

青蜂:おう……もうこんな風に見知らぬおっさんに絡むなよ。
   見知らぬ女子高生。

 <ミサキは数歩歩いた後、青蜂の方を振り返る>

ミサキ:あ、そうだ。

青蜂:なんだ……まだなんかあんのか?

ミサキ:私ね――

 <ミサキは髪を掻き上げながら笑みを浮かべる>

ミサキ:おじさんのこと、好きよ。

 間

青蜂:……は? それって――

ミサキ:さぁ。どんな意図があるのかしらね。

 <ミサキは笑顔で歩き去っていく>
 <青蜂は頬を掻いた後、ベンチに背を預ける>

青蜂:……ったく。

 間

青蜂:(あくび)……夜が長くなっていくねえ。


 ◆


 <12月7日・夕刻>
 <青蜂は以前と同じ公園の同じベンチで新聞を読んでいる>

青蜂:あー……寒い寒い……。
   この時期は一面の話題も冷え切ってやがる……。

ミサキ:どんな話題なの?

青蜂:んー? 芸能人が不倫しただのなんの……こっちの冷え込みっぷりを考えて――
   あ?

 <青蜂が新聞を下げると、隣のベンチにミサキが座って本を読んでいる>

青蜂:……んだよ。またか、見知らぬ女子高生……。

ミサキ:それはこっちにも言えることなのだけど……まあ、いいわ。

青蜂:いいや。俺が先に座ってたんだから、俺に言う権利がある。

ミサキ:そんなことより、どうしてこんな寒い日に公園で新聞なんて読んでるの?

青蜂:それもカウンターパンチ、だな。読書好き女子高生って言ったって、こんな寒さじゃ紙をめくるのも辛いだろ。

ミサキ:あなたが答えるなら、私も答えるわ。

青蜂:残念。おっさんは口を閉ざしたのであった。

ミサキ:そう……じゃあ、勝手に推理してもいいかしら。

青蜂:推理……?

 <ミサキは本を閉じて降ってみせる>

ミサキ:これ、推理小説なの。

青蜂:へえ、推理小説好きか。まぁ、考えるのは好きそうだもんな。

ミサキ:別に、いつも読んでいるわけじゃないわ。
    たまたま読んでみようと思っただけ。

青蜂:ちなみに、小説のタイトルは?

ミサキ:これよ。

 <ミサキは表紙を青蜂の方へ向ける>
 <青蜂はそれを横目でみるとニヤリと笑う>

青蜂:……『日毎に肌を刺す空気の冷たさに、どこか脳の奥が刺激されてたまらないのだ』

ミサキ:……え?

青蜂:主人公の探偵の第一声がそれだ。
   雪の降り積もる山上の洋館に招かれ、そこで起きる殺人事件。
   あとがきから読むなんて人もいるが、読書好きの女子高生らしく、最初の数ページを読んで、買うことを決めた。

ミサキ:それは……。

青蜂:理由は、寒かったから――違うな……そうさなぁ。
   寒い外で読む本を探していた。それはつまり、読んでいる世界観と読んでいる環境が近いほうが面白いから。
   ……どうだ?

 <ミサキは目を丸くして青蜂を見つめる>

ミサキ:どうして……わかったの?

青蜂:理由はいくつかある。例えば俺がもともと推理小説オタクだってこととか……。
   或いは、意外とロマンチストな女子高生のことを、しっかり見抜いているとかな。

ミサキ:……そう。私のことが、忘れられなかったのね……。

青蜂:おーい、なんでそうなるかね。
   いや、まあ……なかなか忘れられん出会いではあったけどな。

 <ミサキは本を鞄にしまった>

ミサキ:平日の夕方に、こんな寒い公園のベンチで新聞を読んでいる理由なんて、そうはないわ。
    一つは――そうね、仕事がない場合。

青蜂:……なるほど。推理返しってやつか。

ミサキ:ええ。おじさんがここにいる理由を当ててみるわ。

青蜂:ほんっと……考え好きだねえ、女子高生。

ミサキ:シナリオとしては、おじさんが結婚していて家庭がある場合。
    無職になったことを家族に打ち明けられず、公園で時間を潰している。
    だけど……おじさんの左手には指輪の痕がないから、このシナリオは無いわ。
    それに、そもそもおじさんには、『申し訳ないおじさんっぽさ』が無いもの。

青蜂:あのさ、『申し訳ないおじさんっぽさ』って何……?

ミサキ:『世間に顔向けできないおじさんっぽさ』ってことよ。
    アナタには、社会に対する申し訳なさがあまりにも足りないわ。

青蜂:それでいうと大抵のおっさんは申し訳無さそうに生きてるような気もするけどな……。

ミサキ:他には、単に無職でも堂々としている場合。
    でも……その線も薄そうね。

青蜂:その心は?

ミサキ:おじさんとは口では言っているけど……それはあくまで私と比べたらという話。
    実際、おじさんはまだまだ若い働き盛りの年齢でしょう?
    そんな年齢で堂々と無職で居られる精神の持ち主なら……逆に大企業の社長を任されているほどの逸材だわ。

青蜂:大企業の社長をなんだと思ってんの……? ニートイコール社長ってむちゃくちゃだろ。

ミサキ:とまあ……ここまでは半分冗談。

青蜂:全部冗談だと言ってくれ……。

ミサキ:……私ね、おじさんのことはすごく評価してるの。

青蜂:そいつはどうも。

ミサキ:考えや振る舞いもとても落ち着いていて、それに余裕もある。
    私のような小娘相手にも、同じ目線で話してくれて、気遣いもできる。

青蜂:いや……こっちも大分面食らってんだけどな。

ミサキ:私これでも、人を見る目には自信があるの。
    おじさんの中身は只者ではないはず。

青蜂:おじさんの中身はちゃんとおじさんだけど――

ミサキ:それに、一見カジュアルな格好に見えるけれど、ジャケットや、靴はブランド品。
    お金には困っていない――いえ、むしろかなり羽振りはいい。

 間

青蜂:へえ……わかるのか。

ミサキ:そんな人間が、こんな公園のベンチにいつも座っているというなら、そこに座ること自体が仕事であると考えるのが自然。
    人間的な落ち着きや、自然体な姿。そして私がこの本を選んだ理由を一瞬で言い当てたその推理力を加味すると……つまり、おじさんの正体は――

 <ミサキは青蜂に人差し指を突きつける>

ミサキ:探偵のおじさんよ。

青蜂:……。

ミサキ:どうかしら?

 <青蜂は新聞を畳んで立ち上がる>

青蜂:残念、外れだよ。女子高生”刑事(デカ)”。

ミサキ:……残念。

青蜂:でも、いい線は言ってた。
   だから、今日は俺が先に場所を譲ってやろう。

 <青蜂は軽く笑ってミサキの鞄を指差す>

青蜂:その小説、面白いよ。
   女子高生刑事なら、きっと真相にたどり着けると思う。
   ……じゃあな。

 <青峰を見送ったあと、ミサキは鞄から小説を取り出す>

ミサキ:……『日毎に肌を刺す空気の冷たさに、どこか脳の奥が刺激されてたまらないのだ』

 間

ミサキ:(微笑む)本当に、一言一句そのまま……。


 ◆


 <12月15日・夕方>
 <住宅街にある公園のベンチに青峰は座っている>

青峰:……冗談じゃねえ。

 <周囲には大量の雪が降り積もり、今尚雪は降り続けている>

青峰:なんだよ……この時期にこんな大雪なんて……!
   マジでついてねえ……!

 <青蜂は傘につもった雪を払い落とす>

青蜂:……寒波……本当寒波……。
   だーくそッ……思考能力落ちる……。

 <公園の入口から、ミサキが傘を持って走ってくる>

ミサキ:(息切れ)はぁッ、はぁッ……!

青蜂:……お?

ミサキ:(息切れ)本当に……! 本当に、居た……!

青蜂:なんだ、今日は私服の女子高生か。

ミサキ:どうして、こんな、大雪の日に……。

青蜂:んー、内緒。

ミサキ:……本当に……。

 <ミサキは自分の胸に手を当てながらしゃがみ込む>

ミサキ:……死にたいのかしら。ただでさえ免疫の低いおじさんなのに。

青蜂:おっさんの免疫の強弱を勝手に決めつけるな。
   世間のおっさんはめちゃくちゃ強いんだぞ?

ミサキ:まったく……。

 <ミサキはとなりのベンチに近づこうとするのを、青蜂が止める>

青蜂:おい。そっちはびしょ濡れだから座らんほうがいい。

ミサキ:……別に気にしないわ。

青蜂:阿呆。気にしなさい。女の子だろうに。

ミサキ:あら、おじさんっぽいこと言うのね。

青蜂:いいから、座るならこっちにしろ。

 <青蜂は自分の隣を指差した>

ミサキ:隣……?

青蜂:毛布引いてあるから、大分マシだろ――って、いや、そもそもわざわざここに座りにくる必要ないだろ。
   帰りなさいよ、私服の女子高生。

ミサキ:……いいわ。隣に座る。

青蜂:そうかい……。

 <ミサキはゆっくりとベンチに腰を下ろす>

ミサキ:……ッ、冷たい……!

青蜂:ほらいったろ……無理しないで帰れば――

ミサキ:いやよ……! っていうか……もう、慣れた……。

 間

青蜂:それで……今日の議題は?

ミサキ:……え?

青蜂:いつもの調子だと、何か疑問があるんじゃないかってさ。

ミサキ:そう……そうね……。

 間

ミサキ:……夢中だったから、何も考えて、なかったわ……。

青蜂:夢中って……ここに来るのにってことか?

ミサキ:……ええ。どうしてかしら……。

青蜂:大体、なんであんなに急いで走ってきたんだ?

ミサキ:それは――

 間

ミサキ:もしかしたら、おじさんが居るかもって思ったのよ。

青蜂:だから……それでなんで急いで来る必要があるんだよ。

ミサキ:だって、死んでたら、嫌だもの。

青蜂:死なねえよ……! ちゃんと防寒もしてきたしな。

ミサキ:家とか……無いんじゃないかって――

青蜂:あるある! だからマジで心配する感じだすのやめれ……!

 <ミサキはふっと笑う>

ミサキ:(吹き出す)ふ、ふふふふふ……!

青蜂:なぜそこで笑う。

ミサキ:ううん……なんだか、いつもの調子で、安心したのよ。

青蜂:……たかだか数週間前までは見知らぬおっさんと見知らぬ女子高生だったんだが……。
   それがまさか、『いつもの調子』なんてもんができるとはなぁ……。

ミサキ:長さじゃないわ。会話っていうのは……そう、密度。
    それに、言葉には意図がある、でしょう?

青蜂:あーうん……そうね。

ミサキ:それだけ、濃かったのよ。私にとっては。

 間

ミサキ:……ホワイトクリスマスって言うじゃない?

青蜂:言うねえ。特に、あまり雪が振らない地域ほど、よく言う。

ミサキ:私、月並みだけど、憧れてるの。
    ……イブが明けて、クリスマスの朝になったら、外は一面の雪景色だったらって。
    今まで一度も経験したことがないから。

青蜂:ん? この辺に住んでるんじゃないの?
   この辺だったら数年前にもあっただろうに。

ミサキ:いつもはこの時期になると、家族でハワイに行っているから。

青蜂:……え? 何? セレブ?

ミサキ:別に私自身はセレブじゃないわ。家が少し大金持ちなだけ。

青蜂:少し大金持ちってどういう言葉の組み合わせだよ……。

ミサキ:だからわかるのよ。アナタの服装、高いものだって。
    まあでも……そのブランドの中ではリーズナブルな方だけど――

青蜂:言うな……! 言うんじゃない……!
   心と財布が……冷えるッ!

ミサキ:いいじゃない。たとえ安くても――安くてもいいものはたくさんあるわ。

青蜂:安いって言うな……! このコートだってなぁ! 俺からすれば高かったんだぞ……!

ミサキ:ふふふ、冗談よ。
    素敵だわ、そのコート。

 <ミサキはさみしげに自分のコートの裾を握る>

ミサキ:自分の好きな服を着て……自分の思う通りに街を歩いて……。
    やりたいことをして……クリスマスに雪が降ったなんてニュースを見るんじゃなくて、私もその雪を実際見てみたい。
    ……少しだけでもいい……自由に、私も生きてみたい。

 間

青蜂:今は未だ自由じゃないように見えても……数年もすれば自ずと自由になる。
   ――なんてことはわかってるんだろうけど。

ミサキ:……そうね。それはわかってるわ。
    でもそう簡単にはいかないのよ。

 <ミサキ悲しげに笑った>

ミサキ:私の父は厳格な人でね。
    それにとても支配的な人なの。
    自分の手の中にあるものは、すべて自分の言うことを聞かなければ許さないの。
    家の中に居ようが、外に居ようが……私は父の所有物として扱われる。

青蜂:おい。

ミサキ:その代わり、私達は贅沢な暮らしをさせてもらえる。
    もちろんそれだって父からすれば権力を誇示しているのかもしれないけど――

青蜂:おい……!

 間

ミサキ:何……?

青蜂:……どうしてそんな話を俺にするんだ。

ミサキ:……話す必要があると思ったの。
    だから、聞いて。

 間

ミサキ:ひと月前……父の経営する会社の役員達が、家に集まって会議をしていたの。
    私は――好奇心に負けて、その会話を盗み聞いてしまった。

 <ミサキはゆっくりと立ち上がる>

ミサキ:父の会社は、表向きは海外企業向けの輸入の仲介や人材斡旋業を生業としているの。
    業績も悪くはないし、優良企業として知られているわ。
    だけど……実際は、某国にある犯罪シンジケートと繋がっているダミー会社……。
    そうね、言ってしまえば私の父は、ジャパニーズマフィアなのよ。

 間

青蜂:君は……その会議でその話を聞いたのか?

ミサキ:いいえ、父の仕事のことについては昔から。
    もちろん、父が犯罪行為をしていることを知っていて、のうのうと生きているんだから……私も同じ穴の狢なのだけれど……。

 間

ミサキ:会議で役員達は『父が約束を違ったことに、組織が腹を立てている』と、父に詰め寄っていた。
    労働者として隣国に渡す手はずだった他国マフィアの要人が、警察に逮捕されたことが問題だと言っていたわ。
    父は役員たちに怒鳴り返していた。
    『自分はできることをやった。そんな能無し共の言うことなど無視して構わん』
    そんな父に役員達は何も言い返さなかった。
    ……ただ――帰り際に父にこんな言葉を残して去っていった。

 <ミサキは悲しげに笑って青蜂を見つめた>

ミサキ:……『殺し屋が近々狙ってくるだろう。せいぜい気をつけろ』

 間

ミサキ:このベンチからだと、少し離れた私の家がよく見えるの。
    だけど、家からだと少し背が低くて見えにくい。
    もし私が殺し屋なら、ここからターゲットを監視するかもって思った。
    でも……本当に殺し屋なんてものがいるなんて信じられなかったし……。
    だから、おじさんに話しかけた時には……そんなことなんて思ったこともなかった。
    でも――今思うと、最初からそうなのかもって思っていたのかもしれない。

 間

ミサキ:おじさんの正体は――

青蜂:やめろ。

 <青蜂は冷たい瞳でミサキを制した>

青蜂:……君は、聡い。それに、優しい子だ。
   だから、それ以上は俺に言うな。

ミサキ:言ったら……私を、殺すの……?

青蜂:(ため息)おいおい……それ言ったらズバリ言ってんのと一緒だろ……。

 <青蜂はふいにミサキの身体を自分に引き寄せると、首元に何かを押し付けた>

ミサキ:痛っ……!

青蜂:(耳元で)……平日のこの時間は人通りが極端に落ちるんだ。
   特に今日は寒波の影響でごらんの通り閑散としてる。
   見えるか? 公園を出て西側に八メートルのところにバンが止まってるだろ?
   アレは俺の車でさ、中にはブルーシートが引いてある。
   そこで君の首を裂いてから、ゆっくりとシートに包んで、君の横で俺は着替える。
   その後、君の父親に連絡をして君を迎えに越させるんだ。
   君の父親はその場所でブルーシートを見つける。
   ゆっくり開くとそこには君の死体があるんだ。
   君のお父さんがショックのあまり座り込んだ瞬間――六百メートル先のビルの上から、俺のライフルが君の父親の頭を撃ち抜く。

ミサキ:……そう……!

青蜂:どうしてそうなるか……。それは君が……俺の言うことを聞かずに喋ったからだ……!
   このお喋り女子高生……!

ミサキ:う、ぐッ……!

青蜂:どうして……どうして自分の命を無駄にするようなことする……!

ミサキ:……して……!

青蜂:なんだって?

ミサキ:……痛くないように……! はやく……して……!

青蜂:……なんでそうなる……!

ミサキ:父は確かに悪人かもしれない……! けど、そんな父に育てられた……!
    良い人間ではないけれど、良い父だったときだってあったの……!

青蜂:君の父親はろくでなしだ!
   だから俺みたいなやつがここにいる……!
   そんな人間のために、命を捨てる気なのか!

ミサキ:私には……! なにもないもの……!

青蜂:何も、ない……?

ミサキ:ええ……。ただ、生きてるだけ……!
    ただ時間が過ぎていくだけ!
    ただ何もせずに願ってるだけ!
    クリスマスに……雪が、降ればいいって……。
    それだけ、だから……。

青蜂:雪が、降ればいい……?

ミサキ:アナタが父を殺さなくてはいけないのはわかってる……。
    でも……だったら、私を、殺して。
    もしそれで……父の罪が少しでも軽くなってくれたら……私は……。

 間

青蜂:……そうか。

 <青蜂はミサキを離す>

ミサキ:(咳き込む)

青蜂:そう……そうだな。そうなるよなぁ……。

 <青蜂はどっかりとベンチに座った>

ミサキ:……おじさん……?

青蜂:だぁー! わかった……!
   女子高生探偵……俺の負けだ。

ミサキ:……負けってどういうこと?

青蜂:確かにね。致命的じゃない。
   ここで君を殺せば、それこそ俺の依頼主の溜飲も下がるかもしれないし。
   君一人の命で、これから始まるであろう抗争を止められる可能性だってある。

ミサキ:……だったら、殺せばいい。

 <青蜂は頭を掻いた>

ミサキ:……それが、おじさんの仕事なんでしょう?

青蜂:んー? そうね。君の父親を殺さないと、怒れる雇い主に殺されちゃうだろうな。

ミサキ:だったら――

青蜂:そりゃそうしたいけど、だって俺、君のこと、殺せないし。

ミサキ:どうして……!

 <青蜂はミサキの頭を軽く叩いた>

ミサキ:ちょっ……!

青蜂:まあ、なんだ。
   君と話すのが楽しくなっちまったってやつだよ。

ミサキ:……え?

青蜂:知ってるんだよ、君の名前も、顔も、最初からね。
   それどころか、好きな食べ物や好きな色、周囲の人間関係や、よく立ち寄る場所――

ミサキ:ちょ、ちょっとまって……!
    じゃあ、あの推理小説のことも――

青蜂:ああ、アレは別。知らなかったよ。
   俺、本物の推理小説オタク。

ミサキ:……そう。

青蜂:俺の仕事はとても丁寧でね。
   ターゲットの関係者が接触してきた時点で、場所や計画を変えるんだよ。
   というか、いつもならそうする。接触した直後にね。

ミサキ:じゃあ、どうして……この公園にずっと……?

青蜂:さてね……。

 <青蜂は笑って立ち上がる>

青蜂:よし……俺に勝ったご褒美に、ちょっとしたチャレンジへの参加券をあげよう。

ミサキ:チャレンジ……?

青蜂:君の父親。数日後に海外旅行に行くって言ってるよね。

ミサキ:……盗聴でもしてるの?

青蜂:企業秘密。
   君は家に帰って、父親をその旅行に行かないように説得するんだ。

ミサキ:私が……? 父さんを……そんなこと、できない……。

青蜂:言い方を変えようか。
   もし君の父親が組織や俺から逃れるために、海外に飛ぼうとしても無駄だ。
   座席を取った時点で、君の父親は死ぬことになる。
   それも……あっさりと。

ミサキ:……私が……それを止めるってこと……?

青蜂:強制はしない。仕事が楽になるだけだ。

ミサキ:でも、私次第で……父は……。

青蜂:……なあ。

 <青蜂はミサキの頭を撫でる>

ミサキ:あ……。

青蜂:短い人生の中で、死にものぐるいで頑張れば、自分の境遇を変えることができる瞬間ってもんがある。
   その瞬間に気づいていたとしても、多くの人はその機会を逃していく。
   それは――諦めだ。そして立ち向かうことへの恐怖だったりする。
   だが、それは間違ってない。努力をすれば何もかも良くなるなんて嘘っぱちだからだ。
   結局、死にものぐるいで頑張ったとしても結果なんてついてこないことのほうが多い。
   でも、そうだな……これはたまにくるスーパーチャレンジタイムってやつなんだよ。
   あの父親に、君が立ち向かうことができたなら――
   約束するよ、女子高生。
   君はまだ……自由に生きることができる。

ミサキ:自由に、生きる。

青蜂:ホワイトクリスマスが見たいんだろ。
   何もない人間なんかじゃねえよ。
   雪が降ればいいなんて――壮大じゃないの!
   ……だろ?

 <青蜂はミサキに背を向ける>

ミサキ:おじさんは……どうするの。

青蜂:どうするって?

ミサキ:父を……殺さなかったら、おじさんは――

青蜂:ノーコメント。

 <ミサキは拳を握りしめる>

ミサキ:……どうして、こんな私に優しくしてくれるの……!
    どうして……!

 <青蜂は振り向いて笑顔を浮かべる>

青蜂:『正しい』って、どういうことなんだろうな。

ミサキ:え……?

青蜂:別に、今までそんな綺麗な言葉はいくつも聞いてきたんだけど、響いてこなかった。
   それこそ、君ぐらいの歳の頃にはもう何人も殺してて――いや、その頃は仕事じゃなかったけど。
   たくさんの人間とツルんできて、抜ける機会も――まあ、多少はあったのかもしれないけどね。
   とどのつまり……俺も、死にものぐるいで頑張れなかった人間のひとりなんだ。
   だからこんなしょうもない人間のままで生きちまってる。
   (間)
   でも……なんでだろうな。
   君の言葉は、すっと入ってきたんだよ。
   こんな俺の胸に、やけに響いちまったわけで……いや、それも少し違うな。

 <青蜂はミサキに笑いかける>

青蜂:俺はさ……君の隣のベンチに座って生きていられたら、どんなにいいだろうかって……。
   そんなこと、思ってしまってるんだ。

ミサキ:隣の、ベンチ……?

青蜂:つまり! ……君に一目惚れしたんだ。俺は。

ミサキ:え、それって……!

青蜂:(笑って)ははは! 意図だよ。そうだろ、女子高生。

ミサキ:からかってるの……! 私が子供だから――

青蜂:頑張れよ! ……檻の中の女子高生。
   檻を叩き続けるんだ……そうして外に出た頃には、雪が降るさ。

 <青蜂は手を振って歩き去る>

ミサキ:……なんなのよ、それ……。

 <ミサキはベンチに敷いたままの毛布を手に取る>

ミサキ:毛布……置きっぱなしだし……。

 <ミサキはその毛布をギュッと抱きしめる>

ミサキ:……女子高生って……名前、知ってるくせに……!
    バカ……!


 ◆


ミサキ:絶対に行かせない!


ミサキN:父を止める――それは、私の周りを覆う鉄格子に対する初めての反逆だった。
     冷たくて、叩いても手が痛いだけだったその鉄格子を――私は必死に叩き続けた。
     ここから自由になるために……そして、自分の中の何かを変えるために……。


ミサキ:父さん! 私は! 父さんの持ち物じゃない!
    ちゃんと……! ちゃんと生きてる!
    だから――私のお願いを聞いてください!

 間

ミサキN:私のチャレンジが成功したのかはわからない。
     でも……父の旅行を止めることは、できた。
     何度も何度も怒鳴られて、ものを投げつけられて、髪を掴まれて――それでも、私の言葉は届いた。
     私の意図が、繋がったのだ。
     父を引き止めた次の日の朝――
     自分の部屋で迎える、初めてのクリスマスの朝――


 <12月25日・朝・ミサキの自室>


ミサキ:……ホワイト……クリスマス……。

 <ミサキが窓の外を眺めると、外には雪が振り出していた>

ミサキ:……本当だ……!

 <ミサキの目に涙が浮かぶ>

ミサキ:……本当に……! 降るんだ……!
    本当に……! 振ったよ……! おじさん……!

 <ミサキは毛布を抱きしめる>

ミサキ:……おじさん……。そうだ……!
    もしかして――


 ◆


ミサキN:私は部屋を飛び出した。
     坂を降りるうちに、何度も転びながら、走った。
     走って、走って――向かった。
     あの公園の、あのベンチだけを目指して。


ミサキ:(息切れをしながら)……ッ! いた!
    おじさんッ!


ミサキN:おじさんは――いつもの席に座っていた。
     ぼーっと公園の中を眺めながら。


ミサキ:(息切れして)はぁっ……! おじさん……! はぁっ……!


ミサキN:近くに来て、気づいた。
     そこにいたのは、知らない男性だった。
     怪訝そうにこちらを見る男性に、私は急いで頭を下げた。


ミサキ:す、すみません……! 人違いでした……!


 間


ミサキN:私はそれから、しばらくベンチに座っていた。
     その日一日、ずっとそこに座っていたけれど……ついに――おじさんは現れなかった。


 ◆


ミサキN:クリスマスから数日後――父は、警察に出頭した。
     警察との司法取引により、父は証人としての保護された後に、裁判に掛けられることになるらしい。
     あっという間の出来事だった。
     私と母は、周囲の目もあり、少し離れた土地に引っ越すこととなった。
     犯罪に手を染めていた父を持つ者として、様々な苦労はあったが――それでも私は幸せだった。
     ……これを自由と呼ぶのかどうかはわからない。
     でも、自由という言葉は――明確な意図をもって私と――あの人を繋いでいるような気がしていた。
     (間)
     あれから数年。時はあっという間に流れる。
     今までは考えるまでもなかったようなことが、どんどんと過去の私を置き去りにしていく。
     人は何かを失う代わりに、何かを得るものだ。
     あの日、日々をなんの問題もなく過ごして、答えのない問答ばかり考えていた私は居なくなり、
     今、私は自分という役割に必要な事柄を、必死に考えながら生きている。
     私が二十歳を迎えた年の冬――弁護士から、父と住んでいた『あの家』の売却についての連絡が入った。
     私は今日、母と共に、数年ぶりに『あの家』を訪れている。
     いくつかの書類のやりとりと、家具などの売却を済ませると、私は母に声をかけた。


ミサキ:母さん。私、少し外を見てきてもいいかしら。


ミサキN:強い思いがあったわけではない。
     かといって、忘れ去ったわけでもない。
     ただ自分に正直に向かった先は――あの公園だった。
     あの日のクリスマスから、不思議と一度も通ったことはなかった公園。
     数週間――あの数週間が、やけに懐かしく感じた。


ミサキ:……そう。ここ、まだあったのね。


ミサキN:私は自分が座っていたベンチに座った。
     ちょうど、あの頃と同じ時期だ。
     クリスマスも近いというのに、この公園は変わらず飾りっ気の一つもない。
     ……そうだ……なんだっけ……。
     ここで読んでいた本があった。初めての推理小説。
     そうだ……私は……あの人と同じ本を読んでいるのが、嬉しかったんだ。


ミサキ:そうか……そうだったわね……。


ミサキN:今ならわかる。そんな気がした。
     あの人が……私の想像も出来ないほど、恐ろしい仕事をしていたとしても。
     それでも、私にとっては話を聞いてくれる人で、私を自由にしてくれた人だった。
     このベンチで話していた私は、確かにあの人に――



青蜂:『日毎に肌を刺す空気の冷たさに、どこか脳の奥が刺激されてたまらないのだ』
   なんて……寒いもんは寒いっての。



ミサキ:……え?



 <ミサキの隣のベンチに青蜂が座って新聞を読んでいる>

青蜂:見てくれよ……今日の新聞。
   わりと興味がある一面だと思うんだけど。

 間

 <ミサキは顔を伏せて呟く>

ミサキ:……なんて、書いてあるの。

青蜂:数年前に捕まったジャパニーズマフィアの裁判。
   有罪だってさ。司法取引した分、減刑はされたみたいだけどな。

ミサキ:……そうなの。

青蜂:ん? そういえばそこの見知らぬ女性……なんかちょっと雰囲気にてない?
   このマフィアのボスと……目の辺りかな。

ミサキ:……さぁ、気のせいじゃないかしら。

青蜂:そうかねえ……つってもおじさんはこいつを生かすためかなぁり大変なことなったもんでさ。
   ちゃんと裁かれてくれてホッとしたわ。

ミサキ:……どんな大変なことがあったの?

青蜂:そりゃあもう。わるーい組織の人達に追いかけられては殺されかけて。
   反対側からは警察が追いかけてくるし、映画もびっくりの逃亡生活よ……。
   おかげで仕事なんて辞めるしかなくなっちゃってさ。

ミサキ:……それは大変ね。今は何の仕事をしてるの?

青蜂:いやぁ、何の因果かフィンランドで髭のおじさんに助けられてさ。
   この時期になると、赤い服きて全世界の子供たちにプレゼントを配るっていう――うわっ!


 <ミサキは青蜂に駆け寄って抱きつく>


青蜂:……どうした、見知らぬ女性。

ミサキ:……バカおじさん……。

青蜂:はいだめ。おじさんっていうのは女子高生までの特権なんでね。

ミサキ:じゃあ、名前くらい教えなさいよ……。

青蜂:俺の名前? サンタ・クロースだけど。
   ちなみにサンタがファーストネームね。

ミサキ:それ……殺し屋としてのニックネームじゃないでしょうね。

青蜂:引退して間もないんだ。そのうち、ちゃんとした名前、決めるよ。

ミサキ:……なら、私が考えてあげる。

青蜂:変な名前にしない?
   若者のセンスって変に尖ってるでしょ。

ミサキ:するわよ、変な名前に。

青蜂:……そうか。住民票偽造するのも、手伝ってね。

ミサキ:サンタ・クロースで出したらいいんじゃない。

青蜂:ホッホッホ。そいつはいい。


 <青蜂はミサキの頭を撫でる>


青蜂:あー……そうだ、今年の初仕事、忘れてた。

ミサキ:初仕事……?

青蜂:……メリークリスマス、ミサキ。

ミサキ:(吹き出す)ふふふ……まだ数日先よ。
    でも……メリークリスマス……。
    ……サンタのおじさん。



青蜂N:その年のクリスマス、雪が降ったのか。

ミサキN:それは、ベンチの冷たさが教えてくれるはず。




 了



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