魔法少女キューティー☆ピーチ 第一話『厄災の前触れ』
作者:紫檀

 =はじめに=
 この台本はコメディ台本です。
 台本中にある誤字や、脱字。説明不足な部分や、トンデモ展開も総て仕様です。
 真剣にやるとよりいっそう面白いかと思います。

 =ルール=
 ・ミュート禁止。笑い声もオンマイクで!



多田野 謙一:ごく普通の男子高校生。くるみとラブラブ☆交際中。
桃色 くるみ:才色兼備の女子高校生。校内でも絶大な人気を誇りファンクラブ
       まで存在するとか。謙一に一途で乙女な一面も。
       しかし、実はその正体は正義のヒロイン、魔法少女キューティー
       ☆ピーチ!愛と平和を守るため、日夜悪の組織と戦い続けている。
       決め台詞は『皆のハートにきゅーてぃくるん!!』(変身後に毎
       回言う)である。
ナレーション:ナレーションッ!!であるッ!!!





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N:何気ない日常、平和な日々…!

N:人々は気付かない!それらがあまりにも脆く!儚く!不安定な均衡の上で
  成り立っていることを…!

N:魔法少女キューティー☆ピーチ 第一話『厄災の前触れ』



<朝、学校にて>

同級生:あ、ケンイチじゃん。おはよう

謙一:おう、おはよう

謙一M:俺の名前は多田野 謙一(ただの けんいち)。ごく普通の高校生だ

同級生:あれ?才色兼備で文武両道、生徒会長を務める学校一の人気者で、
    お前の彼女のくるみちゃんは?今日は一緒じゃないの?

謙一:ああ、今日はなんか体調が悪いらしくてな。家で休むってさ

N:説明しよう!桃色 くるみとは、成績優秀かつ容姿端麗!学校にはなんと隠れ
  ファンクラブまで存在するというレジェンド級美少女である!そして謙一の
  彼女なのである!

謙一M:そして何を隠そう俺の彼女である桃色 くるみは、この町の平和を守る
    正義の味方、魔法少女キューティー☆ピーチの正体だ
    このことは俺とくるみしか知らない。二人だけの秘密ってやつだ

同級生:まったく、しっかり看病してやれよ。なんてったってお前の彼女は、
    この町の平和を守る正義の味方、決め台詞は『皆のハートにきゅーてぃ
くるん!!』の魔法少女キューティー☆ピーチなんだからさ

謙一:おう、勿論だ。それが彼氏のつとめってやつだからな



<放課後、くるみの自室前>

謙一:(ドアをノックして)おーい、くるみー。見舞いに来てやったぞ

くるみ:誰?ケンちゃん…?

謙一:入ってもいいか?

くるみ:駄目ッ!入らないでッ!

謙一M:あれ?くるみって…こんな(相手役の声の特徴を言う 例:野太い、
    低い、ジェイソン・ステイサムみたいなetc)声だったっけ…?

謙一:大丈夫かくるみ。風邪でも引いたのか?

くるみ:ケンちゃん…私もうケンちゃんには会えない…

謙一:なッ!どうしたんだよ急に!

くるみ:ケンちゃん…今の私はフロントダブルバイセップスで人を殺せるわ…

謙一:いや意味わかんねーよ!

N:説明しよう!フロントダブルバイセップスとは、両こぶしを振り上げ腕を
  曲げることにより、正面から上腕二頭筋を強調するポージングであるッ!

くるみ:もう別れましょう私たち!それが…ケンちゃんのために(泣き崩れる)

N:扉越しに響く少女の雄々しい慟哭(どうこく)…
  だがその時ッ…謙一が咆(ほ)えた!

謙一:勝手なこと言ってんじゃねーよ!

くるみ:……ッ!

謙一:勝手に傷ついて…勝手に諦めてんじゃねーよ…!

N:それは、一人の漢(おとこ)の覚悟!そして矜持(きょうじ)の叫びであ
  った!

謙一:今までずっと、二人で乗り越えてきたじゃねえか…
   どんなに辛くてもッ…どんなに悲しくてもッ…!

くるみ:………

謙一:突撃怪人ケンタウロス・ブラストに俺の家が吹き飛ばされた時も!
   海水浴場で人魚妖怪マナティッシモに俺がさらわれて人質にされた時も!
   歴戦魔王グランド・シリウスとの最終決戦で俺が変身ステッキを電車内に
   忘れちまった時も!
   どんなピンチも!全部一緒に乗り越えてきたじゃねえか!

N:気付けば、謙一の頬(ほほ)には、一筋の涙が流れていた…!

謙一:なあ、くるみ。何かあったんだろ?…話してくれよ
   何があろうと、何が起ころうと、俺はお前の全てを受け止めるさ

くるみ:ケンちゃん…

謙一:知ってるか?俺って強いんだぜ

くるみ:!……わかった。私、前を向くよ

謙一:ああ、ともに歩こう、これからも

N:ゆっくりと扉が開かれる

くるみ:ケンちゃん…私ね…



謙一:ん゛!?

N:扉の向こうでは、筋肉隆々の男が一人、フロントダブルバイセップスを
  決めていた

くるみ:ーー男になっちゃったの

N:謙一は気絶した



<三時間後、病院>

N:約三時間後、謙一は病院のベッドの上で目を覚ました

謙一:ハッ……!!!

医者:お、やっと目を覚ましたみたいだね

謙一:すごく…悪い夢を見ていた気がします

くるみ:ケンちゃん…大丈夫…?

謙一:夢じゃなかった

くるみ:ごめんね…やっぱりまだフロントダブルバイセップスは早かったよね…

N:くるみの筋肉が、照明の光を受けてきらめく

謙一:先生…これは一体どういうことなんでしょうか…?

医者:うーん、僕もこういった事例は初めてだから、原因はわからないね

謙一:そうですか…

医者:でもまあ完全に男になってて健康上は問題ないし、むしろ健康すぎると
   言っても過言ではないくらいだよ

謙一:それはよかったです

くるみ:でもねケンちゃん…一つ問題があるの

謙一:どうした?くるみ

くるみ:私ね、魔法少女に変身できなくなっちゃったみたい

謙一:なんだって!?

医者:まあ今はもう少女ではないからね

謙一:そんな…じゃあこれからはどうやってこの街の平和を守れば…

くるみ:チンピラくらいなら殴り勝てるからいいんだけど、怪人級が現れた時に
    どうしたらいいか…

N:重い空気が流れる病室
  その時!野外に悲鳴がこだました!

くるみ:はっ!今の声!きっと怪人が現れたんだわ、行かないと!

謙一:待て!くるみ!

くるみ:止めないでケンちゃん!!たとえ魔法少女になれなくても、私には
    この街を守る使命と責務があるわ!!!

謙一:違うんだ、くるみ

N:それは覚悟!くるみを見つめる謙一の瞳には、確かな覚悟が浮かんでいた!

謙一:俺もついてくよ

くるみ:ケンちゃん…

謙一:なんてったって俺は、くるみの彼氏…いや、パートナーだからさ!

くるみ:うん!行こう!

医者:これを持っていきな

くるみ:これは…変身ステッキ!?でも、私はもう変身できないんじゃ!?

医者:ネパールにはこんな諺(ことわざ)がある
   『愛は常識をくつがえす』…ってね

くるみ・謙一:ッ!!!

謙一:ありがとうございます…!

医者:さあ行ってきな、正義の勇者さんたち(ウィンクする)

<謙一とくるみ、病室を後にする>



<街の商店街、怪人が暴れている>

怪人:グハハハハハ!!!商店街すべての看板を『ギョウザの玉将』に書き換
   えてやるぜ!!

謙一:あいつは…!悪の怪人マクドナルド三世!!

くるみ:こんなところに現れるなんて!

N:説明しよう!悪の怪人マクドナルド三世とは、世界征服をもくろむ悪の怪人
  である!

くるみ:待ちなさい!マクドナルド三世!

謙一:待つドナルド三世!

怪人:貴様は………誰だ!!?

くるみ:これ以上悪事は、この魔法少女キューティー☆ピーチが許さない!

怪人:魔法少女だと!?どっからどう見たって男じゃねえか!

N:意外ッ!!それは正論ッ!!!

くるみ:お黙りなさい!!

N:負けじとくるみの筋肉が隆起する!

くるみ:ホワタァァァァアアッ!!!

N:高速で距離をつめたくるみの正拳突きが!!マクドナルド三世の顔面をと
  らえた!!

くるみ:ゼェアッ!!!

怪人:ぐぼぉっ!!

N:時速160キロで振りぬかれた拳に!空中をきりもみしながら吹き飛ぶ
  マクドナルド三世!!

謙一:やったか!?

くるみ:いや!まだだ!

怪人:クッフ…(吐血)…クッフッフッフ…

N:怪しい笑みを浮かべながら、マクドナルド三世が立ち上がる

怪人:今の拳で思い出したよ…貴様は確かに魔法少女キューティー☆ピーチだ…
   だがなーー

N:口元の血を拭いながら、マクドナルド三世は己の勝利を確信した

怪人:魔力のこもっていない拳など、蚊の一刺しも同然よォ!!

くるみ:ぐっ…!

N:瞬間!マクドナルド三世の魔力が爆発する!

怪人:見せてやるよ、これが俺の真の姿だ。変身

くるみ:なっ…!

謙一:変身…だと…!?

N:爆発した魔力の渦が再びマクドナルド三世の元へと収束する!
  霧が晴れた時、二人の目の前に映ったのはーー

怪人:ーートランプ・ナイト・ドナルド、推参

N:魔力の中心にたたずむ、暗黒騎士の姿であった!

怪人:行くぞキューティー☆ピーチ…俺のスピードについてこれるか?

N:一瞬の静寂

謙一:くるみ…

くるみ:大丈夫だよケンちゃんーー知ってた?私、強いんだから

N:漢(しょうじょ)はもう、うつむくことはなかった

くるみ:…来いッ!!

怪人:破ァッ!!



N:以降、三刹那(せつな)のことである

N:一刹那、十三撃

くるみ:ぐぅぅうッ!!!

N:二刹那、十三突

くるみ:ぬぅぅぅうんッ!!!

N:三刹那、十三斬

くるみ:ぐぬぅぅうあぁぁぁああッ!!!

怪人:終わりだな

N:そしてトドメの一撃が、貫かれた

怪人:…!なにッ!?

謙一:………

N:謙一の胴体へと

くるみ:ケンちゃぁぁぁぁあん!!!!!

怪人:ば、馬鹿な………ただの人間が!我が神速の一撃に割り込むだと!!?

謙一:ゴボォ…!

N:大量の血液を吐き出す謙一!!ゆうに致死量を超える出血!!
  常人ならば死亡!!もしくは心肺停止!!しかし…!!

謙一:心配すんなくるみ…ただの致命傷だぜ…!

N:謙一は倒れないッッ!!!!
  まだ二本の脚をもって、大地を踏みしめていたッッ!!!

怪人:有り得ない……!!こんなことが有り得るか!?いや!有り得ない!!

謙一:ネパールにはこんな諺(ことわざ)がある
   『愛は常識をくつがえす』…ってな

くるみ:ッ!!!

謙一:……くるみ!俺はしばらくここで寝てるからよ……!!

くるみ:これは…!

N:謙一からくるみへとキューティー☆ピーチの変身ステッキが受け渡される!
  その信念とともに!

謙一:常識とかいう下らねえ理屈ッ!!くつがえして来いッッ!!!

くるみ:う゛ん゛ッ゛ッ゛!!!!!!

N:そして、健一は気絶した

<トランプ・ナイト・ドナルドへと向き直るくるみ>

くるみ:コォォォォ……ホォォォォ………!!

怪人M:ぐっ…トドメの一撃は打ち損じたものの奴は既に瀕死…!吹けば消え
    去る風前の灯火だぞ…!!なのにーー

くるみ:シュコォォォォ………ッ!!!!

怪人M:なのになんだァ…!この威圧感はァ…!!

くるみ:魔法少女にして…魔法少女にあらず

怪人:……!!(思わず後ずさる)

くるみ:キューティーにして…キューティーにあらず

怪人M:なんてこった…まだ、眼が生きてやがるぜ…

くるみ:愛のため!!義のため!!私は今無間(むげん)の境地へと至った!!

N:愛と覚悟のステッキを頭上に振り上げるッ!!その姿こそまさしくッ!!

くるみ:魔法少女キューティー☆ピーチッ!!!変ッ!!!身ッッ!!!!

怪人:ぐぁぁぁぁぁああ!!!

怪人M:光に…!のまれる…!!

N:まばゆい光の魔力の奔流!!その中で!!奇跡は起きたッ!!!

くるみ:ん゛っ゛!

N:大胸筋を締め上げるピンクのリボンッ!!!

くるみ:む゛っ゛!

N:大臀筋(だいでんきん)を包み込むフリルのスカートッ!!!

くるみ:あ゛っ゛!

N:前腕筋(ぜんわんきん)! 上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)!
  上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)! 三角筋(さんかくきん)!
  広背筋(こうはいきん)! 腹直筋(ふくちょくきん)!
  外腹斜筋(がいふくしゃきん)! 腰背金(ようはいきん)!
  大腿四頭筋(だいたいよんとうきん)!
  下腿三頭筋(かたいさんとうきん)!

くるみ:ふぬ゛ぅ゛ん゛っ゛!

N:全身の黒光りする筋肉を!それとは対照的なキラキラのフリフリが!
  余すところなく装飾してゆくッ!!

くるみ:ぶる゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛!!!

怪人:あ…あの姿はァ…!!

くるみ:皆のハートにッ!!!きゅーてぃくるんッ!!!

N:魔法少女キューティー☆ピーチ!!!ここに爆誕ッ!!!!

くるみ:行ってくるよケンちゃん…常識の向こう側へ

N:謙一は気絶している

怪人:くッ、くそぉぉぉぉぉぁぁあッッ!!!!

N:もはや錯乱し突撃するだけの戦士に!勝ちの目は!ン無いッ!!

くるみ:キューティー☆……

怪人:ッ!!

くるみ:サイドチェスト

怪人:ぐぁぁぁぁぁあッ!!

N:サイドチェストとは!胸の筋肉をアピールしながらも!全身の筋肉の厚みを
  魅せるポージングであるッ!!

くるみ:キューティー☆バック・ラットスプレッド

怪人:ぎゃぁぁぁぁぁあッ!!

N:バック・ラットスプレッドとは!背中の広さ!そして逆三角の美しさを魅
  ポージングであるッ!!

くるみ:キューティー☆アブドミナル・アンド・サイ

怪人:いやぁぁぁぁぁぁあッ!!

N:アブドミナル・アンド・サイとは!腹筋の絞れ具合!脚の筋肉量!筋繊維
  のカットを魅せるポージングであるッ!!

くるみ:これで終わりにしよう

怪人:や…やめろ…!

くるみ:キューティー☆フロントダブルバイセップス

怪人:あああッ!!!

N:フロントダブルバイセップスッ!!もはや説明不要ッ!!
  光の渦が!暗黒騎士トランプ・ナイト・ドナルドを吹き飛ばしたッ!!

怪人M:そうか…これが…

N:光の中で、消滅の間際にして戦士は、初めて己の中に眠る輝きに気付いた

怪人M:これが…《善》か

くるみ:(輝いている)

怪人M:この感情にもう少しだけ早く気付いていれば……俺はーー

N:騎士は、静かに眼を閉じた

怪人M:ーー今となっちゃ、後の祭りか……

くるみ:………

N:その時である。光の雨が止んだ

くるみ:ーー悪は滅された

怪人:!?

くるみ:後に残るは、善による償いのみ

怪人:キューティー☆……ピーチ……

くるみ:仏の道に入られよ、ドナルド卿

怪人:はい、そうします

N:両者ともに変身を解く。戦いは終わった、正義の勝利とともに。
  商店街から喝采が上がる。

医者:終わったようだね、キューティー☆ピーチ

くるみ:先生!!ケンちゃんは…!?

謙一:健在だよ

くるみ:ケンちゃん!!!

医者:見事に心臓をぶち抜かれていたから、今回ばかりは僕も駄目だと思った
   んだがね…。やはり、『愛は常識をくつがえす』…だね

謙一:くるみの愛が、俺の心臓(ハート)の代わりをしてくれたんだよ、きっと

医者:この通り、もう完治している

くるみ:ケンちゃん…!よかった!ケンちゃん…!!

医者:しかし、うかうかともしていられない。今回の怪人の出現、そして
   くるみちゃんのマッチョ化……僕の見立てだと、これは間違いなく
   『厄災の前触れ』だ

謙一:なんですって!?

医者:これからも次々と強敵が君たちの前に立ちはだかるだろう。それに立ち
   向かう覚悟が、果たして君たちにあるかな?

N:顔を見合わせる謙一とくるみ

謙一:ふっ、愚問ですよ先生

くるみ:どんな悪がやって来ようと、私たちの愛と筋肉で打倒して見せます!

医者:(拍手をして)うん、パーフェクトだ。君たちならきっと大丈夫だと、
   不思議とそんな気がしてくる

謙一:やっべ!もうこんな時間だ!

くるみ:いけない!今日放送の『モヒカン学園ときめきロワイヤル』最終回!
    見たかったのに!

謙一:大丈夫だ!今のくるみなら俺を抱えても時速70キロは出る!
   まだ間に合うぞ!

くるみ:わかったわ!しっかり捕まってて!!

謙一:おう!それじゃ先生!いろいろとありがとうございました!

医者:うん、達者でね

N:沈みゆく夕陽の下を、黒光りする筋肉が疾走してゆく

医者:はっはっは、アラスカで見た熊よりも速いな

N:男は、何かを思い出すように遠い目で空を見上げた

医者:彼らなら、きっと大丈夫だ

N:魔法少女キューティー☆ピーチの闘いは、これからも続く







Fin



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